格安「フルサービス」の天津航空を今回初めて利用してみました。羽田発の夜行便なので、天津・北京で時間をフルに使いたい方は重宝しそうです。実際搭乗してみた様子と、早朝の天津空港から市内へのアクセスの情報をお伝えします。
フライトデータ
項目 | フライト |
---|---|
航空会社 | 天津航空(Tianjin Airlines) |
便名 | GS7990 |
発地 | 東京国際空港(HND) |
着地 | 天津浜海国際空港(TSN) |
機種 | A330-200 |
機体記号 | B-8776 |
出発時刻 | 予定1:30 実際1:19 |
到着時刻 | 予定4:20 実際3:53 |
所要時間 | 3時間23分 |
搭乗クラス | エコノミー |
座席番号 | 39K |
はじめに
天津は中国の中心都市の一つ。首都北京との間は高速列車でわずか30分ほどの距離であるが、その天津にも立派な国際空港、天津浜海国際空港があり、近年日本からの直行便も増えてきている。
同空港をハブにするキャリアが、天津航空(GS)。中国の大手航空会社、海南航空の子会社である。先日搭乗した香港航空と同じ系列で、赤と黄色のカラーリングが良く似ている。
今回搭乗したGS7990便は夜行フライトなので、寝不足を我慢すれば翌日朝からフルに時間が使えるのが最大のメリット。また運賃も比較的安いのも魅力。
気になるのはサービスの内容。一応「フルサービスキャリア」と謳われているがどこまでの水準か。実際に乗って確かめてみることにする。
チェックイン
モノレールで羽田空港国際線ターミナルに降り立ったのは21時半を過ぎたころ。平日夜にもかかわらず大勢の出国客でにぎわっている。
GS7990便は翌1:30の出発。公式サイトに表示があるのでオンラインチェックインが可能だと思っていたが、何度試みても、”Coming soon”と表示されてしまう。羽田発便は24時間前からできると記載されているのだが・・・。
チェックインが混みそうなので、早めに並ぶことにする。一番奥のLカウンターだ。まだ出発4時間前なのでカウンターは無人。看板が1枚だけ掲げられていた。
まだ空いているなと思ったが、よく見ると荷物がずらりと。皆場所取りだけしてベンチで座って待っている。ちなみに手前にある自動チェックイン機は天津航空は対応していない。
何時に始まるのかわからぬまま並び始めたが、カウンター上のモニターも真っ暗。本当にここで良いのか不安になってくる。
並び始めて1時間が過ぎたころ、ようやくモニターが点灯。チェックインは23:00開始と表示される。しばらくしてスタッフがぞろぞろやってきた。それを見た場所取り班の乗客は荷物の場所に戻ってくる。
向かって一番右側がビジネスクラスのカウンター。それ以外のカウンターは全く区別がない。やはりオンラインチェックインは機能していない模様。
22:58チェックイン開始。出発予定時刻の2時間30分前だ。中国人の団体客が多い。4~5名ずつ一気にチェックイン手続きをしていくので、自分の前には約50人いたが、15分ほどで順番が回ってきた。
23:14チェックイン終了。希望を聞かれ、窓側を指定してもらった。手荷物は23kgまで1個無料で預けることができる。ただし、機内持ち込み荷物は5kgまでなので注意が必要。
後ろを見ると長蛇の列。早めに並んでおいて正解だった。
すぐに出国。カードラウンジでシャワー(有料)を浴びてから軽く食事をとる。深夜フライトなので機内食についてはあまり期待できない。
搭乗
出発ゲートは145番。羽田国際線ターミナルはコンパクトなので移動が楽。搭乗開始時刻は0:45で、出発予定時刻は1:15に変更と表示されている。
0:43ビジネスクラスの乗客から搭乗が開始された。すぐにエコノミーも始まる。席の前後による搭乗整理は無い。
機体記号はB-8776、まだ経年2年半の新しい機体だ。天津航空はA330の新機体導入を進めており、昨年7月にも新たに1機が加わった。
エコノミーの座席配列は2-4-2の8列となっており同機種の標準的な仕様。シートピッチも狭くはない。
機内エンターテイメントシステムが装備されており、さすがLCCとの格の違いを見せてくれている。なお充電用の電源は席間下部にある。
1:19定刻よりやや早く出発。機内安全ビデオが流れる。天津の名所を機内に見立てた映像が面白い。馬車でシートベルト、観覧車で酸素マスク、プールサイドで救命胴衣、何の事かは見てのお楽しみ。
1:29、A滑走路北側(RWY16R)から離陸。一旦停止しないローリングテイクオフ。
乗客はほぼ満員で、ほとんどが中国人観光客と思われる。到着後に入国審査の列で見た限りでは、中国人95%、日本人5%といった感じ。アナウンスは中国語と英語のみで、もちろん日本人乗務員はいない。また、外国人の割合が極めて少ないためか、外国人入国カードの配布もなかった。
離陸から40分が経過した日本時間2時過ぎごろから、ドリンクと軽食の配布が始まった。空気が膨れ上がった袋をもらった。開けてみたらクラッカーがずらりと。これを何もつけずにひたすら食べる。
しばらくして消灯。機内エンタメがあるので眠くなくても時間つぶしができる。ただ、言語は中英仏独露のみで残念ながら日本語は非対応。
高度10360m前後、速度720km/h程度で順調に飛行。山陰上空から日本海に抜け、中国大陸に入り煙台上空を通過。天津に近づき高度を下げる。
中国時間3:43、天津浜海国際空港、東側の滑走路を北側(RWY16L)から着陸。3:53、101番スポットに到着。定刻より大幅に早い。
入国審査は大行列の中国人カウンターを横目にあっという間に終わった。預け荷物もそれほど時間がかからずピックアップ。極めてスムーズだ。
市内へのアクセス
さて、余りに順調に来過ぎたので、これから時間つぶしが大変。市内に出るには地下鉄かバス又はタクシーを利用することになるが、地下鉄初電は6時まで待たなければならない。バスは7時すぎまで無い。
安易にタクシーを使わないことにしているので、地下鉄を待つことにする。
国際線は第1ターミナルだが、地下鉄は国内線専用第2ターミナルに隣接の交通センターから出る。そこまで案内表示に従って移動が必要。
一旦2階に上がり連絡通路を渡るのがわかりやすい。第2ターミナルに入ったら地下まで下がる。
なお参考までに、空港バス・市内バスは第2ターミナルの1階外から出発する。空港バスは天津駅(通莎客运站)、天津西駅(西站客运站)、開発区、王頂堤への4路線、市内バスが1路線(机场专线4路)ある。その他に、交通センターから出る廊坊行の市外長距離バスがある。
問題は時間をつぶす場所。地下鉄乗り場の交通センターにはベンチは無い。横になるなら国際線到着ロビーが最適。飲食するなら第2ターミナル1階にあるマクドナルド。ここは24時間営業だ。
マクドナルドで朝マックを食べ、5時45分頃地下鉄乗り場に向かう。第2ターミナル地下から交通センターは直結されている。
地下鉄乗り場は交通センターの一番奥。がらんどうのセンター内を歩く。
天津駅までは3元。なお、天津地下鉄は北京のIC乗車カード「一卡通」が使えるので、すでに持っている人は楽だ。
6時少し前に改札が始まる。中国の鉄道ではおなじみの安全検査が行われる。
約25分ほどで天津站駅に到着。ここは国鉄駅及び長距離バスターミナルと直結されており、天津の交通要衝となっている。
感想
率直な感想としては、正に中国の中国人による中国人のための航空会社といった印象であった。フルサービスとはいえ、チェックインや搭乗、機内において、日系航空会社にあるようなきめ細かなサービスは期待しない方が良い。
特にオンラインチェックインの導入は早急に進めてほしい。また、機内食についても、あまりに簡素過ぎるので改善を期待する。
しかし、機体の新しさと運賃の安さを勘案すると、コストパフォーマンスは悪くないと思う。現在、羽田天津線は週4便の運航だが、利用状況により近い将来毎日運行となる可能性もある。
今後の同社の展開に注目したい。
コメント
天津航空 11月の羽田天津往復乗りましたが、ドリンク有料、機内食なしでした。これはLCCか?と思うほどでした。
コメントありがとうございます。ドリンク有料とは、本当にLCCの様ですね。