【2019年2月】鉄道乗車記:京都丹後鉄道宮福線の旅

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地方公共交通活性化の先進地、「海の京都」丹後半島を鉄道と路線バスを乗り継ぎ旅をしました。その1として、京都丹後鉄道宮福線の様子をお伝えします。

乗車した列車

路線 区間 乗車列車/車両 所要 事業者
京都丹後鉄道宮福線 福知山→宮津 4811D 快速丹後あおまつ1号/KTR708 48分 WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)
京都丹後鉄道宮津線 宮津→天橋立 229D/KTR704 5分 WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)

はじめに

地方ローカル線再生の新たな取り組みとして注目されている「京都丹後鉄道」(通称「丹鉄」)と、運賃低減施策でバスの利用客を大幅に増やすことに成功した「上限200円バス」。ここ丹後の国で展開される地方公共交通の新しい波を体感すべく、今回の旅先に選んだ。

旅行記

福知山から宮津まで京都丹後鉄道「あおまつ号」に乗車

2月下旬の平日、暖かい春の陽気に包まれた穏やかな旅行日和。大阪発のJR特急「こうのとり1号」は、9:50定刻通り福知山駅に到着した。ここから丹後半島への旅が始まる。

福知山駅

ここ福知山から丹後半島の付け根、宮津・天橋立方面へは「京都丹後鉄道宮福線」が伸びている。この路線は1988年に開業した比較的新しい路線。もともと旧国鉄の新線として建設開始されたもので、国鉄再建法による工事一旦凍結ののち、第三セクター鉄道「宮福鉄道」の路線として開業。同社はのちにJR宮津線の経営引き受けと同時に「北近畿タンゴ鉄道」と改称、2015年に資産保有と運営が分離(上下分離)、運営は旅行会社ウィラーグループ傘下の「WILLER TRAINS 株式会社」に引き継がれ、ブランド名は「京都丹後鉄道」とされた。

久々に訪れた福知山駅は新しい高架駅に生まれ変わっていた。高架化と同時に駅構内がスリム化されたのか、駅前広場が以前より広大になっている。駅前ロータリーがゆったり機能的になった反面、街との”距離”が少し離れてしまった感じがするのは気のせいか。

福知山駅舎
丹鉄のりば
丹鉄改札口

これから乗る快速「丹後あおまつ1号」天橋立行の発車は10:17。列車はすでに入線していた。当駅での日中時間帯の普通・快速列車発車時刻は毎時17分で統一されている。パターンダイヤで利用者には分かりやすくて良い。

あおまつ号(KTR708)

この「あおまつ号」車両は水戸岡鋭治氏のデザイン。木材をふんだんに使用した内装が特徴的だ。中に売店コーナーがあり、グッズや御当地コーヒー「丹鉄珈琲」などの軽食類等が販売されている。ちなみにこの「丹鉄珈琲」は、同社の親会社などが出資して設立された投資型鉄道ファンド「丹鉄ファンド」を活用して事業化されたもの。

売店コーナー

列車は福知山を定時に出発。1両編成で座席はほぼ埋まった。オフシーズンの平日にしては観光客が多い様子。大学生風の集団や熟年カップル、女子二人旅など、客層は様々である。

途中、客室乗務員による観光案内放送が随所で行われた。大江山口内宮駅の手前では駅間観光停車が行われ、三角形のピラミッドのような山「日室ヶ嶽」と、元伊勢伝承地「元伊勢内宮皇大神社」の案内があった。

大江山口内宮駅手前で観光停車

11:16、列車は定刻通り丹鉄の要衝、宮津駅に到着した。「丹後あおまつ1号」はここから宮津線に入り天橋立駅まで向かうが、ここで後続の豊岡行に乗り換えることにする。少し時間があるので駅構内を探索してみる。

宮津駅と天橋立駅の様子

宮津に到着
宮津駅構内
跨線橋
出札と改札

駅構内は古いながらもきちんと手入れされており好感が持てる。JRの特急列車が乗り入れているためか、出札口ではJRの指定券が購入できる。

待合室には「丹鉄珈琲」のコーヒーショップ「114km Cafe」があるが、この日は平日なので残念ながら閉まっていた。この”114km”とは、丹鉄の総営業キロ114kmを円の直径に見立て、同社公式サイト曰く、直径114kmの「世界で一番大きいカフェ」とのこと。クラウドファンディングにて資金調達し2018年6月にオープンした。

丹鉄珈琲「114km Cafe」

11:18発の普通列車豊岡行に乗車し、天橋立駅に向かう。宮津駅から1駅だ。なお、福知山・天橋立間のみ電化されており、京都から直通のJR特急電車が乗り入れてくる。

豊岡行車内(KTR704)
天橋立駅に到着
隣には先ほど乗った「あおまつ号」が停車

天橋立駅構内も宮津駅同様美しく整備されている。ホーム上屋や豊岡方の階段跨線橋は国鉄時代からの古いものであるが、古さを美しく演出することによりレトロ感を醸し出している。この跨線橋の床や階段がピカピカなのにはたまげた。これだけ磨くのは大変な労力がいることだろう。なお、エレベーター専用跨線橋は反対の宮津方にある。

美しい跨線橋

国際的に有名な観光地だけあって、外国人の姿も多い。駅舎内には観光案内所が設置されており、各国語のパンフレットが置かれている。駅舎は小さいながらも小奇麗に改装されており居心地が良い。宮津駅同様、ここでもJRの指定券が購入できる。

出・改札口
駅舎内の観光案内所
駅舎外観

さて、これから「上限200円バス」に乗り換えて丹後半島一周の旅に向かうことにする(その2に続く)。

【2019年2月】バス乗車記:丹後海陸交通(丹海バス)上限200円バスの旅
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関連リンク

京都丹後鉄道(丹鉄/TANTETSU)
京都丹後鉄道(丹鉄)のWebサイト。路線図や運賃、乗車券、定期券、駅の情報をはじめ、安心への取り組みや企業情報といった京都丹後鉄道のさまざまな情報がご覧いただけます。
鉄道コム

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