【2019年3月】バス乗車記:バンコク・スワンナプームからカオサンまで空港バスに乗車

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スワンナプーム国際空港から空港バス「S1」系統で、バンコク都心部、かつてのバックパッカーの聖地「カオサン」に向かいました。

乗車データ

路線 区間 運賃 所要 事業者
S1系統 スワンナプーム国際空港→カオサン 60 THB 50分 バンコク大量輸送公社(BMTA)

旅の記録

乗り場へ

空港ターミナルの1階からバス乗り場へと足を進める。7番出入口から出るとすぐに案内カウンターがあった。

案内カウンター

この「S1」系統の運行時間は6時から20時まで、運賃は60 THB均一となっている。正確な運行頻度は不明だが、およそ30分間隔で運転されている模様。運行会社は「バンコク大量輸送公社(องค์การขนส่งมวลชนกรุงเทพ/BMTA)」で、バンコク市内の路線バスを統括するタイ運輸省所属の国有企業だ。

カウンターにいる係員にバス乗り場を訪ねると、奥に停まっている黄色いバスを指差した。タクシー通路を横断しバス乗り場に向かう。

乗車

すでにバスは停車していた。オレンジ色の車体は市内でもよく見かけるエアコン付きの”ユーロ2バス”と呼ばれるタイプ。シャーシは日野製でボディはおそらく現地タイ製。正面に「日野自動車」のエンブレムが輝く。

バス乗り場
標識
バスは日野製(社番3-44039)
前面の系統表示

時計はすでに19時半を回っていたが、バスは発車する気配がない。おそらくこれが20:00発の最終便になるのだろう。

乗客は少なく余裕で座れたが、バスは普通の路線タイプなので、大きなスーツケースを持っている場合はちょっと面倒くさいかもしれない。

予想通り20:00ちょうどに発車。発車時点でも空席があった。すぐに車掌が乗車券を発売しにやってくる。金属の筒にロール状の乗車券と硬貨が入っていて、それを振ってジャラジャラ音を鳴らすのが集金の合図だ。筒の明け口を使って器用に乗車券に切れ目を入れている様子がおもしろい。

発車

バスはやがて自動車専用道路ニューバンコク・チョンブリー線に入り、西へ進む。途中からバンコク高速道路に入る。ここは有料区間なので料金所がある。

高速道路を快調に走る

高層ビルが輝く都心部に入る。高速道路は渋滞もなく快調な走行であった。高速道路を下り、ペップリー通りからランルアン通りへと入っていく。都心の一般道はやはり混んでいる。途中数か所の停留所に停車した。

都心部の一般道を走行

民主記念塔のロータリーから北に向かう。公式サイトの路線図ではバンコク図書館前を通るはずなのだが、迂回運行なのだろうか。

20:50頃、チャクラポン通りのバス停に到着。一般的には「カオサン」停留所とされているが、公式サイト上の停留所名は「ワット・チャナ・ソンクラム(วัดชนะสงคราม)」、また停留所ポールには「チャクラポンセ(จักรพงษ์)」記載されている。バスはこの先国立美術館、国立劇場を通って、サナームルアン(王宮前広場)まで行く。

ここで大多数の旅行者とともに下車した。ここから屋台食堂でにぎわうラムブトリ通りはすぐ、カオサン通りへは徒歩1~2分程度だ。

「カオサン」停留所
ラムブトリ通り

感想

2017年に運行が開始されたS1系統。運行時間帯、運行頻度、使用車両いずれも現状では本格的な空港バスとしてはやや力不足に感じた。なにより20時で運行が終了してしまうため、夜間に到着する場合は利用できないのが最大の難点である。

都心に向かうには、ドアtoドアで行けるタクシーや、時間が読める空港鉄道「エアポートリンク」の方が圧倒的に有利な状況であり、今回乗った便の乗車率をみても、バスは明らかに苦戦している状況である。

ただ、直行できるカオサンや王宮方面に(から)少人数で向かう場合は、タクシーより安く行けるため利用価値は大きいと思われる。

なお、スワンナプーム空港から都心方面に向かう公共バス路線は、今回利用した路線の他に数系統あるが、このS1以外の系統はいずれも空港ターミナルからやや離れた場所にあるバスターミナルを発着するため、旅行者には使い勝手が悪い。

バンコク都心部は時間帯により激しい渋滞に見舞われる。この原因の一つとして、タクシーの台数が多すぎるという点も見逃せない。タイ陸運局の統計資料によると、2019年3月末現在のバンコク市内タクシー登録台数は82,240台で、これは東京都の44,636台(2017年3月末現在、全国ハイヤー・タクシー協会)に比べ約1.8倍に上る。

スワンナプーム空港から(へ)のアクセス手段は、正確なデータは入手していないが、タクシーやミニバスといった小規模輸送が過半数を占めていると思われ、非常に効率が悪い。ちなみに、成田空港の出発時アクセス手段におけるタクシー・ハイヤーの割合は、わずか2.4%である(「2018年度 成田国際空港アクセス交通等実態調査報告書」)。

これは、巨大都市バンコクにおいて鉄道やバスといった大量輸送交通機関を効率的に活用できていないという証。空港アクセスの選択肢を増やす意味でも、空港バスの更なる充実が期待される。

関連リンク

バンコク大量輸送公社

鉄道コム

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