【2019年7月】ビエンチャン空港から市内中心部までバスで移動する方法

ラオスの首都ビエンチャンにある、ワットタイ国際空港。今年2019年秋には同国初の日本との直行便、熊本-ビエンチャン線が開設される計画で、日本人の海外旅行先として今後更に注目を集めるものと思われます。

そこで気になるのは空港アクセスの問題。市内中心部との間には、京都市交通局の中古車両を使ったシャトルバス及び一般路線バスが運行されています。今回は、その概要と実際に市内から空港まで乗車してみた時の様子を詳しくお伝えします。

なお、この記事は2019年7月時点の情報です。路線等の状況は頻繁に変化しますので、実際に利用される際は現地の情報をご確認ください。

基本情報

概要

空港と市内中心部タラートサオにあるセントラルバスステーション(CBS)の間には、現在2路線のバスが運行されている。2018年1月に”エアポートシャトル”が運行開始。加えて、今年2019年7月15日から、新設された”11”系統の一部便が空港を経由することになった。運行事業者はビエンチャン市バス公社(VCSBE)の一部局である「Vientiane City 2 Bus Service」、日本のODAによる国際協力機構(JICA)のプロジェクトで設置された組織である。

路線図・時刻表

”エアポートシャトル”の路線図及び時刻表は以下の通り(2019年6月11日現在)。

出典:Vientiane City 2 Bus Service https://www.facebook.com/VientianeCity2Bus/
出典:Vientiane City 2 Bus Service https://www.facebook.com/VientianeCity2Bus/

”11”系統の路線図及び時刻表は以下の通り(2019年7月15日現在)。

出典:Vientiane City 2 Bus Service https://www.facebook.com/VientianeCity2Bus/
CBSに掲示されている時刻表
空港に掲示されている時刻表

以上の情報をまとめると、下表の通りとなる。

表1 空港→セントラルバスステーション(CBS) バス時刻表 (2019年7月15日現在)

空港発時刻 CBS着時刻 路線
9:00 9:30 エアポートシャトル
9:40 10:10 11系統
9:50 10:20 エアポートシャトル
10:30 11:00 エアポートシャトル
10:40 11:10 11系統
11:40 12:10 エアポートシャトル、11系統
12:20 12:50 エアポートシャトル
13:00 13:30 エアポートシャトル
13:40 14:10 11系統
13:50 14:20 エアポートシャトル
14:35 15:05 エアポートシャトル
15:30 16:00 エアポートシャトル
15:40 16:10 11系統
17:10 17:40 11系統
18:00 18:30 エアポートシャトル
19:40 20:10 エアポートシャトル
*11系統のCBS到着時刻は推測

表2 セントラルバスステーション(CBS)→空港 バス時刻表 (2019年7月15日現在)

CBS発時刻 空港着時刻 路線
6:45 7:10 11系統
7:45 8:10 11系統
8:20 8:45 エアポートシャトル
8:45 9:10 11系統
9:05 9:30 エアポートシャトル
9:45 10:10 エアポートシャトル、11系統
10:45 11:10 エアポートシャトル、11系統
11:30 11:55 エアポートシャトル
12:15 12:40 エアポートシャトル
12:45 13:10 11系統
13:15 13:40 エアポートシャトル
14:00 14:25 エアポートシャトル
14:45 15:10 エアポートシャトル
15:15 15:40 11系統
15:45 16:10 11系統
16:15 16:40 11系統
16:45 17:10 11系統
17:25 17:50 エアポートシャトル
18:40 19:05 エアポートシャトル

所要時間・運賃

空港・CBS間の所要時間は、概ね25~30分程度。運賃は15,000キープ、日本円で185円程度。

乗車体験記

市内から空港まで11系統に乗車

ビエンチャン中心部、タラートサオショッピングモールに程近い場所にセントラルバスステーション(CBS)がある。ここは市内バス全路線と、タイに向かう国際バスや地方への長距離バスが発着するビエンチャンの交通の要衝である。

構内はそれほど広くはない。前を走る道路を挟んだ反対側にも乗り場がある。以前はここから少し入ったところに広い構内があったが、数年前に移転したようだ。

プラットホームには立派な上屋が建っている。

セントラルバスステーション(CBS)

構内の一角に見慣れた日本製のバスが停車していた。

日本製のバス

左側が2012年に日本のODAで導入されたいすゞ製バス。右側がおなじみ京都市交通局から供与されたバス。

空港に向かう路線は、全てかどうかは不明だが、主に京都市バスが使用されている模様。今回乗るのは、エアポートシャトルではなく、新設されたばかりの11系統だ。

時刻は16:10、とりあえず空港に向かうと言われたバスに乗り込む。実は、この時はまだこの11系統の存在を知らなかった。乗り場は上屋のあるプラットホームではなく、南東側の停車スペース。ここに掲示されている時刻表には、Facebookのバス公社公式ページに掲載されたエアポートシャトルの時刻表とは全く異なる時刻が表示されており、最初は訳がわからなかった。

11系統のバス乗り場
11系統時刻表

車掌に聞くと次の発車は16:15とのこと。時刻表には確かに16:15発の便に飛行機のマークが表示されている。バス前面の行先表示器には運行区間がラオス語、英語、中国語で表記されている。”AIRPORT”と書かれているので確かに空港に行くのだろう。

車掌から乗車券を買う。空港までの運賃はエアポートシャトルと同じく15,000キープ。途中までだと5,000キープの模様。

車内はほぼ京都時代そのままで使用されているが、ラオスは右側通行のため右側に中扉が新設されていた。状況により左前方のドアも使用される両刀使い。車種は三菱エアロスター(西日本車体工業製ボディ架装)の2ステップ車。

車内の様子
右側に新設された扉(下車時に撮影)

発車時刻の16:15になっても発車しない。そのうち、大量の荷物を運ぼうとする乗客がやってきた。運転手も荷物の搬入を手伝っている。

バス前方の通路が荷物だらけになったところで発車。16:18、3分遅れだ。

CBSを発車

乗客は4名程。思ったより少ない。乗務員は運転手と車掌の2名で、きちっと制服を着た若い男性。

バスはやがてビエンチャン繁華街を東西に結ぶサームセンタイ通りに入り、西に進む。

何やら車内が騒がしい。突然、ラオプラザホテル手前の交差点で右折してしまった。変なルートだと思ったが、どうも乗るバスを間違えてしまった乗客がいた模様。ぐるっと回ってタラートサオの近くで当該旅客が下車する。

仕切り直しで再び西に進む。途中の停留所からも乗車が可能なはずだが、だれも乗ってこない。なお、今走っているサームセンタイ通りは西方向への一方通行なので、空港から市内への東方向バスは、一本南側を走るのセーターティラート通りを通る。

ラオプラザホテル前

やがて左からセーターティラート通りが合流し、1本の幹線道路となる。この道は北部の中国国境まで延びる国道13号線。

すると、突然バスは国道を右折してしまう。空港はしばらく道なりの筈だが一体どういうことだろうか。駐車場のゲートのようなところを通り、建物の間の細い路地に入っていく。

ゲート

路地を抜けると大きなショッピングセンターの前に出た。地図で見ると「三江市場」とある。中国系の商業施設のようだ。多くの漢字が目に飛び込んでくる。

対向のバスとすれ違う。同じ11系統だ。後日路線図を確認したら、これは11系統の正規のルートであった。

11系統とすれ違い

突き当りを左折。グーグルマップでは「Asean Road」と名付けられている通りを西へ進む。両側に商店やホテルが立ち並ぶが、いずれも漢字が多く使われている。

「Asean Road」に入る

すぐに国道13号線との交差点。ここを右折する。

国道13号線に入る

ここまで来ると、空港は間近だ。再び国道を右折すると、空港ターミナルが見えてくる。

空港への道
空港ターミナルが見える

16:43、ターミナルの国際線出発口付近でバスが停車。降りるとすぐにバスは発車していった。最初にトラブルがあったものの、CBSからの所要時間は予定通り25分であった。

ターミナル前に到着
終点に向けて発車

ワットタイ国際空港のバス乗り場

国際線の空港ターミナルは、建物から道路に向かって右側が到着ロビー、左側が出発ロビーとなっている。到着ロビー内にあるカウンターにはバスチケットサービスと掲げられているが、時間帯によっては無人となる模様。

バスチケットカウンター

バス乗り場は到着ロビーを出て右手。車寄せの一番端っこにある。

バス乗り場への案内
バス乗り場

乗り場には立派なバス停ポールが建っている。下部に路線図と時刻表が掲出されていた。

路線図
時刻表

空港18:00発エアポートシャトルの様子

搭乗する便のチェックイン開始まで時間があったので、エアポートシャトルの発着状況をウォッチングしてみた。時刻表上では、17:50に空港到着、18:00に空港出発とある。さて、この通りにバスは動くだろうか。

「ラオスバスナビ」というサイトで、バスのリアルタイム運行状況が確認できる。とはいっても、実際に見てみるとサイト上で表示されるバスはわずか。GPS未搭載のバスが多いためなのか、残念ながら現時点ではあまり参考にならないかもしれない。

ナビ上で1台のバスが空港に近づいてきた。17:50到着のエアポートシャトルだろう。ナビの表示通りにバスがやってきた。システム自体の精度はかなり高いようだ。

エアポートシャトル

17:44到着。定刻より6分も早い。一旦ターミナル中央付近で乗客を降ろした後、乗り場に回送されてきた。いすゞのキュービックだ。

乗り場に到着

バスを待っている乗客は皆無であった。新設された右側の中扉が口を開けて乗ってくるお客様を待っている。

中扉

18:01、ほぼ定刻通りバスは発車して行った。乗客数は不明。

感想

今回見た限りでは、運行自体は意外にしっかりしている印象を持った。起点の発車時刻は概ね定時で、途中渋滞が無い限り到着は所定より数分早い傾向にあると思われる。

時刻表があって、その通りにバスが動くというのは、本数が少なくても利用する側としては安心感があり使いやすい。

一方、課題は情報の周知であろう。バス公社の公式サイトには、路線図やバス停案内など、便利な情報が掲載されているが、その情報は必ずしも最新のものではない。

例えば、路線検索のページで路線図が表示されているが、新設された11系統が本投稿執筆時点でも掲載されていない。

また、路線リストでは、系統番号44「エアポートシャトル」の情報があるが、リンク先に掲載された時刻表はダイヤ改正前のもの。更に、その下に系統番号10「
Direct service between Airport Shuttle and Lao ITECC-CBS」の記載があり、リンク先には現在の「エアポートシャトル」の情報が貼られている。そもそも両者は同じ系統なのか異なる系統なのか、事情を知らない人にとっては混乱するだけである。

なお、11系統の情報はFacebookにはアップされているので、同公社におけるメインの広報媒体はこちらになっていると思われる(アップされたのは新設から半月以上たった8月2日であるが…)。

一方、バス停の案内表示方法も問題が多い。CBSにはバス乗り場が多数あるが、どの系統のバスがどこから発車するのか、総合案内的な掲示物は筆者が見た限りでは見つけることができなかった。

空港のバス乗り場はシンプルなので分かりやすいが、新設された11系統についての情報はバス停ポールには一切掲出されていなかった。

以下の写真は、ナンプ広場前にある「ナンプ」停留所の掲示物の写真であるが、掲出されている時刻表が一体どの路線のものであるか不明である。

バス停ポール
不明な時刻表
路線図

サイトや案内表示類はJICAが関わっているので、見た目にはそれなりの体裁となっているが、情報のアップデートがおざなりになっているのが残念だ。

発展途上国全般の公共交通に言えることだが、”正しい情報をわかりやすく伝える”という最も基本的な視点が現地の交通行政や事業者に欠けていることが多い。

立派な運行情報システムやIC乗車券システムなど、夢が膨らむ(売り物になる)支援が日本を含め先進国から持ち込まれることが多い。しかし、現実に即して言えば、まずは公共交通サービスの基本を徹底してもらう事の方が先であろう。

高い経済成長が続くラオス、人の動きも更に活発になっていくであろう。近い将来、自動車が増えすぎて交通機能がマヒ状態になることも考えられる。そうしないためには、公共交通システムの効率化・活性化は絶対避けて通れない課題である。今後の展開に期待したい。

関連リンク

ビエンチャン市バス公社

ラオスバスナビ

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