香港とマカオを結ぶ海上橋「港珠澳大橋」を走るシャトルバスを利用してみました。香港国際空港からマカオまで、乗り継ぎの状況も含めて詳しくお伝えします。
乗車したバス
路線 | 区間 | 運賃 | 所要 | 事業者 |
---|---|---|---|---|
香港B4系統 | 香港国際空港旅客ターミナル→港珠澳大橋香港口岸 | 6 HKD | 10分 | 新ランタオバス(新大嶼山巴士) |
港珠澳大橋シャトルバス | 港珠澳大橋香港口岸→港珠澳大橋澳門口岸 | 65 HKD | 40分 | HZMバス(港珠澳大橋穿梭巴士) |
マカオ101X系統 | 港珠澳大橋澳門口岸→看台街/騎士馬路 | 6 MOP | 10分 | 澳門公共汽車 |
はじめに
香港国際空港からマカオに向かう方法は、高速船とバスの2つの方法がある。それぞれ長所短所があるが、今回は2018年10月に開通したばかりの海上橋「港珠澳大橋」を通るシャトルバスで行ってみることにする。
高速船を利用する場合は、香港に入境せずそのまま専用の桟橋から乗船できるが、シャトルバスを利用する場合は一旦香港に入境しなければならない。
一方、ここからバスでマカオ市内に向かう方法は、いささか面倒くさい。まず香港側の出入境ターミナル(香港口岸)まで循環バスB4系統で移動し、香港出境手続き後、シャトルバスでマカオ側の出入境ターミナル(澳門口岸)まで移動、マカオ入境手続きを行い、更に市内バスに乗り換える、という手順になる。所要時間は、乗り継ぎやパスポートコントロールがスムーズにいったとしても、空港を出てから最短で1時間半程度はかかるとみておいた方が良い。
【2019年12月追記】
2019年12月16日から香港国際空港と澳門口岸を結ぶ直通バスが運行開始との報道がありました。こちらについては香港経済新聞の記事(下記リンク)を参照してください。
旅行記
空港からB4系統に乗車
まずは、香港の公共交通利用に必須な乗車カード、「オクトパス(八達通)カード」を買う。空港での購入は自動販売機が便利。場所は機場快線チケット売場にある。日本のクレジットカードでも購入可能だ。
循環バス乗り場へと向かう。到着ロビー中央にある、第2ターミナル方面への標識が目印。この突き当りは機場快線のホームなので、「巴士 BUS」の標識に従い右側のスロープを下る。
バスターミナルへの出口ドアの前のポールにB4系統の表示がある。そばには路線一覧も掲示されているが、こちらには記載がない。気にせずそのまま進む。
バス乗り場の案内看板にもB4系統の表示があった。運賃 6 HKD、運行間隔8~30分、運行時間24時間と書かれている。
B4系統の乗り場は図の右端、横断歩道を渡って少し右に行ったところにある。
目的のB4系統乗り場は一番奥にあった。バス会社ごとに別々の停留所サインが林立している。この事業者縦割りで統一性が無い感じは、まるで日本のバス停のようだ。もっと利用者目線でわかりやすくしてほしい。
様々な系統のバスが発着する。香港のバスは2階建てが主流だ。
しばらくしてB4系統が来た。グリーンの二階建てバスが中々格好良い。この系統は、「新ランタオバス(新大嶼山巴士)」というバス会社が運行している。空港ターミナル行と表示されているが、循環系統なのでそのまま乗り込む。
運賃は大人 6 HKD均一で先払い方式。もちろんオクトパスカードが使える。通路が狭い上、大きなスーツケースを持っている人が多いので乗降に時間がかかる。
約10分ほどで、香港側のターミナル「香港口岸」に到着した。停留所名は「港珠澳大橋香港口岸旅檢大樓」だ。B4系統バスを降りて建物に入ると、すぐに香港出境のイミグレーションがある。
港珠澳大橋シャトルバスに乗車
出境手続きが済むと、シャトルバス乗車券の券売機がある。マカオ行と中国本土の珠海行で分かれているので、向かって右側のマカオ行の券売機で購入する。運賃は大人 65 HKD。オクトパスカードで決済できる。操作は簡単で、あっという間に発券できるが、便や座席の指定はできない。ちなみに、香港側ではマカオの電子マネー「マカオパス」は使えないが、逆にマカオ側では、マカオパス(券売機と窓口)とオクトパスカード(窓口のみ)が使える。
「澳門」と書かれたマカオ行のバス乗り場に向かう。ターミナル内には売店があった。
このシャトルバスは、「HZMバス(港珠澳大橋穿梭巴士)」という会社が運行している。運行時間は24時間で、運行頻度は5分~15分(深夜は15~30分)間隔となっている。珠海行も同様だ。
地表にある乗り場に行くと、既にバスが停車していた。発車時刻の表示は無い。幸い、乗り込んだらすぐに発車となる様子。最前列の席に座る。22:13発車。
橋の部分は片側3車線であるが、香港・マカオ区内とは違い右側通行である。道路標識も中国本土の簡体字を使用しており、この橋自体は本土の管理下に置かれているようだ。時間帯もあると思うが、通行する車はほとんどない。ガラ空きの道路を時速80km程度で進む。
この橋、防風柵のようなものがほとんど見られないので、強風時は通行に影響があるかもしれない。背の高い2階建てバスも運行されているので、風にあおられた事故が発生しないか心配だ。
マカオ・珠海側のターミナルが見えてきた。22:52到着、乗車時間約40分であった。ここは人口島だが、北半分は中国本土、南半分はマカオの領域となっており、それぞれ別に入境検査場がある。マカオ行のバスは当然マカオ側のターミナルに着く。
マカオ市内バス101x系統に乗車
マカオ入境後、ターミナル建物を出ると市内に向かうバス乗り場がある。ここから出る路線は101X系統(半島を西回りで亞馬喇前地に向かう)と102X系統(半島を東回りでタイパに向かう)の2路線。運賃は大人 6 MOP均一。今回は101X系統に乗る。「澳門公共汽車」というバス会社が運行している。
ここでの注意点は、マカオのバスはオクトパスカードが利用できず、バス内でお釣りはもらえないので、マカオパス(マカオのプリペイドICカード)を持っていない場合はマカオパタカか香港ドルの小銭が必要な事。今回、香港空港のATMで 100 HKD紙幣を出金したまま使わず、細かいお金を一切持っていなかったので非常に困った。市内バスのチケット売場は無く、係員はいるが両替には応じてくれない。ターミナル内にはATMがあるが、当然紙幣しか出てこない。時間が遅かったのかショップもすべて閉まっていた。仕方なく香港行きのバスチケット売場で係員にお願いして崩してもらった。
約10分ほどで、珠海ボーダー近くのバス停(看台街/騎士馬路)に着いた。ここで、別の系統に乗り換え、予約したホテルに向かった。
感想
将来的には、空港から直通のバスが運行される予定とのことだが、現状では、このシャトルバスは香港空港からマカオへ移動する第一選択肢としては、あまりおすすめできない。特に大きな荷物を持っている場合は、多少待ち時間があっても、空港から直接高速船に乗る方がベターだろう。ただ、シャトルバスは高速船が動かない深夜も運行しているので、時間帯によっては利用価値大である。
また、香港とマカオで、乗車カードが共通ではないのが利便性を損ねている。香港・マカオ・中国本土と、隣接する3地域で異なる通貨を使っているという特殊事情があるにせよ、乗車カードの共通化が待たれる。
コメント
香港とマカオを結ぶバスの記事、非常にためになりました。
香港空港からマカオに行くのは船のほうがよさそうですが、香港や九龍からは直通バスが運転されているようです。
また、国境の橋は一般車全面通行禁止のようですよ。
貴重な情報ありがとうございます。直通バスは機会がありましたら乗ってみたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。