香港国際空港とマカオをダイレクトに結ぶバス「澳港機場直達」に乗車しました。空港の到着エリアから香港に入境せずにマカオ入りすることができる便利なバスです。マカオからの復路では、以前当ブログでも紹介した「港珠澳大橋シャトルバス」に乗車、その様子もあわせてお伝えします。
香港国際空港での乗り継ぎ手続き
飛行機を降りて入境審査場へと向かう人の波に乗りながら歩く。しかし香港入境せずにマカオに直接向かうにはそのまま流されてはいけない。
入境審査場の手前右手にあるE2エリアが、マカオ行きバスとフェリーの乗り継ぎカウンターの場所である。圧倒的に目立っているのはフェリーのカウンターで、バスのカウンターはその脇に追いやられたような格好だ。
現在時刻は18時ちょっと前。早速カウンターで乗車手続きを行う。パスポートと先ほど乗ってきた飛行機の搭乗券を呈示、預け荷物がある場合は必ずクレームタグも呈示する。荷物はそのままバス乗り場に転送されることになる。
バス発車時刻表には18:30という便があるが、預け荷物がある場合の乗り継ぎ所要時間は60分なので、次発の19:30便の案内となった。ちなみに預け荷物が無い場合の乗り継ぎ所要時間は30分で、先発便に乗車可能。
運賃は通常280香港ドル(=マカオパタカ)だが開業記念特価で250香港ドル(約4,900円)。一旦香港に入境してから乗車する「港珠澳大橋シャトルバス」に比べると割高だが、荷物のピックアップなどに人手がかかるので人件費が加算されているのであろう。決済は香港ドル現金の他にVISA、MASTERのクレカが利用可能(AMEX等は不可)。
チケットにはパスポートの氏名が記載される。便名は8S1714。マカオ行きの客であると判別できるよう服に貼れとシールを渡された。
無事チケットを手に入れたが、バス発車時刻までかなり時間がある。ここにいてもやることが無いので、とりあえず案内表示に従い乗り継ぎチェックポイントに行ってみたが、19時まで乗り場に向かうことができないと係員に追い返されてしまった。どうやら発車時刻30分前にならないと、ここを通過することができないルールのようだ。
マカオ行き直通バスに乗車
何とか時間をつぶし、19時ちょっと前に再突入を試みる。無事チェックポイント通過。ひたすらエスカレーターに乗り地下の空港内新交通システム乗り場に向かう。
マカオ行きのバス・フェリー乗り場は、空港ターミナル隣の「スカイピア(海天中轉大樓)」という施設にある。ここはマカオの他に珠海など中国本土に向かう交通機関も発着する。空港ターミナルとは専用の新交通システムで直結されており、実質的に空港の一部のような扱いである。
数分でスカイピアに到着。「離港」の案内表示に従い進む。
出発フロアには4つのフェリー搭乗口がある。案内表示に従ってコンコースを進み一番奥にあるバス乗車ロビーに向かう。このフロアにはセブン-イレブンがあるが、19:05時点で店は閉まっていた。
バス乗車ロビーに到着。乗り場に向かうゲートが閉まっており、これ以上先に進めない。係員がいたのでチケットを呈示すると、しばらくここで待つように案内があった。
ロビー内には空港と同じ手荷物回転台があるが、回転が止まっており荷物が出て来る気配が無かった。果たしてちゃんと荷物をピックアップできるのだろうかと不安になってきた。
しばらくして回転台が動き出したが、荷物が一向に出てこない。待っている他の乗客も不安を感じているのか、係員に問い合わせをしていた。
時刻は19:25を過ぎてしまった。もうバスが出発する時刻になる。やきもきしながら待っていると、ようやく荷物が出てきた。19:29、無事にピックアップ完了。
19:31、ゲートが開いた。係員にチケットを呈示して乗り場に進む。可哀そうにまだ荷物が出てこずに待っている乗客もいる。
1番乗り場には既にバスが停車していた。発車標には便名・行先と出発時刻が表示されている。チケットに座席の指定は無いので席は早い者勝ちだ。
19:39、9分遅れてスカイピアを発車。乗客は20人程度であろう。バスはBYD製の電気バス。
空港を右手に見ながら港珠澳大橋に入っていく。バスは80~90km/h程度の速度で走るが、電気バスなので音は極めて静かだ。橋を渡っている時もずっと5Gの携帯電波が入るのは大したもの。
長い長い港珠澳大橋を約30分かけて渡り、20:16にマカオ入境ターミナル(港珠澳大橋珠澳口岸)到着。9分遅れが1分遅れに回復していた。
マカオ入境手続きも全く問題なく終わり、あとは市内バスに乗って今宵の宿泊先「ホテルリスボア」のあるアマラル広場に向かうだけだ。
市内バス101X系統でアマラル広場へ
ターミナルに用事は無いので、早速市内バス乗り場へと向かうことにする。ここに来たのは2019年1月以来だが、当時から若干様子が変わっていた。一番の大きな変化はコンビニができていたこと。
市内バスの案内も電子化されていた。バスロケーションシステムも搭載。
ターミナル建物を出ると市内に向かうバス乗り場がある。ここから出る路線は101X系統(半島を西回りでアマラル広場に向かう)と102X系統(半島を東回りでタイパに向かう)の2路線。運賃は均一で6マカオパタカ(香港ドルも同)。
系統ごとに乗り場は分かれている。案内表示のごちゃごちゃ感は香港と同じ。
アマラル広場に向かう101X系統の乗り場に到着。24時間運行で日中8~15分間隔、深夜も30分間隔と便数も多く利便性の高い路線だ。なお、タイパ島に向かう102X系統もアマラル広場近くのホテルリスボア前を経由していくが、こちらは24時間運行ではなく便数も若干少ない。
しばらくするとバスがやってきた。運行事業者は「澳門公共汽車」。
5年前にここから市内バスに乗る際、細かいコインを持っていなかったので両替に苦労した思い出がある。しかし今回は、以前取得したマカオの交通系ICカード「マカオパス」という伝家の宝刀を持っている。
意気揚々と車内のカードリーダーにかざすとエラーの表示。。。あれ、前回訪澳したときに、たしか数回バスに乗れる位の残高は残していたはず。
とりあえずこのバスに乗るのはあきらめ、ターミナルに戻り先ほど見たコンビニでチャージを試みるが、店員曰くロックされてしまっているとのこと。調べてみると、何と1000日未使用だとロックがかかる仕様だとか。確かに2019年8月以来使っていなかった。
仕方が無いので現金で乗車することに。乗り場に着くと次のバスがすぐにやってきた。
バスは旧市街のメインストリート「新馬路」を通りアマラル広場へと向かう。夜でも観光客でにぎわっている。
約30分ほどで終点のアマラル広場(亞馬喇前地)に到着した。ここはマカオ最大のバスターミナルがある交通の要衝で、周辺にはカジノホテルが林立するマカオの象徴的な場所だ。
港珠澳大橋シャトルバスで香港へ
ホテルリスボアで1泊し、今日は日本に帰国する日。香港国際空港に戻らなければならないが、帰路は直通バスではなく「港珠澳大橋シャトルバス」に乗ってみることにした。
まずは昨夜通過したマカオ入境ターミナルに向かう。往路と同じ101Xに乗っても面白くないので、今度は102X系統を利用することにした。
102Xのバス停はホテルリスボアの横、アマラル広場からも徒歩ですぐの場所にある。
運行間隔は曜日や時間帯により異なるが、日中は最大でも18分間隔とそれなりに便数はある。
バス停で待つこと5分ほどでバスがやってきた。事業者は黄色い塗装の「澳門新福利公共汽車」。
運賃6パタカを現金で払う。ちなみにマカオパスのロック解除はカスタマーセンターに出向かないといけないらしいが、わずか1泊の超短期訪澳客にそんな時間はない。
20分ほどでターミナルに到着した。現在時刻は10時を少し回ったところ。
早速チケットを購入する。チケットカウンターはガラガラですぐに買うことができた。運賃は65パタカ・香港ドル(約1,250円)で空港直通バスよりもかなり安い。決済にはVISA、MASTERのクレカが利用可能。
チケットには便名や座席の指定は無い。
自動券売機もあるが、こちらはクレカ決済不可の模様。
出発フロアには売店もあり、ここでマカオのお土産を購入することができる。
さて、あまりのんびりしているわけにもいかないので、バス乗り場に向かうことにする。出境審査場も空いており、すぐに停車中のバスに乗り込むことができた。
10:30発車。港珠澳大橋を進む。それにしてもこの橋、欄干がちょっと頼りなく、風に煽られて大型のバスが突っ込んだらあっという間に海にドボンとなってしまいそうで怖い。
橋通過時の最高速度は80km/hと定められているが、ちゃんとそれは守られている。安全第一は良いこと。
約40分ほどで香港側のターミナルに到着した。
ここで一旦香港に足を踏み入れる。今回の旅は往路も香港経由であったが、香港入境はこの1度のみ。無事イミグレーションを通過し空港ターミナルに向かうバス乗り場へと向かう。
空港ターミナル行きのバスはB4系統。案内表示は混沌と秩序が微妙にブレンドした、いかにも香港らしいスタイル。乗り場を探すのは一苦労だ。
あちこち探しまわってようやく見つけたB4系統乗り場。
運行間隔は15分おき。乗り場に着いて5分程待つとバスがやってきた。運賃は9.1香港ドルだが細かい硬貨が無いので9.5ドル払う。ちなみに所持していた香港の交通系ICカード「オクトパスカード」も1000日経過でロックがかかってしまっていた。
所要時間10分で空港ターミナルに到着した。
まとめ
今回、初めて香港国際空港とマカオを結ぶ直通バスに乗車、帰路は「港珠澳大橋シャトルバス」利用で2つのバスルートを乗り比べした格好だが、利便性では前者が優位だが、コストパフォーマンスでは後者の方が優れていると感じた。
空港とマカオ入境ターミナル間の所要時間は、直通バスの45分に対し、シャトルバスは乗り継ぎを含めバス乗車時間だけでも約1時間、更に一旦香港に入境しなければならないため、イミグレーションの混雑具合によってはトータルでかなりの時間がかかる。しかも大きな荷物がある場合は後者はかなり苦労することになる。ただし、直通バスは30~1時間間隔と便数は限られており、また預け荷物がある場合は最低でも60分の待ち時間が必要というデメリットがある。
一方、コスト面では後者の方が圧倒的に安い。前者は280香港ドル=マカオパタカ(所定運賃)と高額であるのに対し、後者は65+9.1で計74.1香港ドル=マカオパタカと圧倒的な安さ。但し、前者を利用してマカオから香港入境せずに第三国に向かう場合、航空券購入時に支払った香港出国税120香港ドルが還付される(別途手続きが必要)。
いずれにしてもそれぞれ一長一短があるので、旅のスタイルで選択するのが良いだろう。
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