【2019年12月】広州東駅と深圳空港を結ぶ「穗深城際鉄路」に乗車

2019年12月に開業した、広州東駅と深圳宝安国際空港を結ぶ「穗深城際鉄路」に初乗車しました。今回は、深圳空港から広深港高速鉄路乗換駅、虎門北駅までの乗車です。虎門北駅での乗り換えの様子も含め、詳しくお伝えします。

項目 列車
乗車区間 深圳機場-虎門北
事業者 中国鉄路総公司(広州局集団)
列車番号 C6732
車両形式 CRH6A
乗車時間 35分
乗車クラス 二等座
運賃 24元

基本情報

以下は2019年12月現在の状況。

概要

「穗深城際鉄路」は、広州東駅と深圳機場駅を結ぶ鉄道。運行事業者は中国鉄路(国鉄)広州局集団。

広州東駅から新塘南駅付近までは、広州と深圳を結ぶ広九線の線路を使用する。新塘南駅西側の分岐点から深圳機場駅までの間、74kmは新規建設区間である。

将来的には、新塘南駅から北上し、広州白雲空港を経由して広州北駅まで結ぶ計画。現在、建設工事が進められている。

全線複線電化路線で、運転最高速度は140km/h。車両は近郊タイプのCRH6A型電車が使用されている。

運行時刻および運賃

運行間隔はおおよそ30~1時間に1本程度。全駅停車型と一部通過の速達型があり、所要時間は列車により異なるが、広州東-深圳機場は1時間20~50分、虎門北-深圳機場間は35~40分程度。運転時刻は頻繁に変わるので下記サイトにて要確認のこと。

中国国鉄12306

中国鉄道予約 Trip.com

乗車券は列車指定の自由席。他の中国国鉄列車と同様、実名登録制なので利用にはパスポート等身分証明書が必須。

主な区間の運賃は、広州東-深圳機場81元、広州東-虎門北57元、虎門北-深圳空港24元となっている。

駅一覧

駅名 所在地 接続
広州東 広州市天河区 広九線
新塘南 広州市増城区 広州地鉄13号線
中堂 東莞市中堂鎮
望牛墩 東莞市望牛墩鎮
東莞西 東莞市望牛墩鎮 広恵城際線
洪梅 東莞市洪梅鎮
東莞港 東莞市沙田鎮
厚街 東莞市厚街鎮
虎門北 東莞市虎門鎮 広深港高速線、東莞軌道交通2号線
虎門東 東莞市虎門鎮
長安西 東莞市長安鎮
長安 東莞市長安鎮
沙井西 深圳市宝安区
福海西 深圳市宝安区
深圳機場北 深圳市宝安区 深圳地鉄11号線
深圳機場 深圳市宝安区 深圳地鉄11号線

深圳機場駅の様子

深圳機場駅は、深圳空港旅客ターミナルに隣接して位置している。ターミナル到着ロビー出口には、中国国鉄マークに「穗深城際鉄路」と表示された案内サインが掲出されている。

国内線到着ロビーの案内サイン

駅はターミナル出口に向かって右手の地下にあるので、案内サインに従ってエレベーターまたはエスカレーターで地下1階に降りる。なお「地面交通中心」に出ると逆に遠回りになってしまうので注意。

エレベーター

地下1階は深圳地下鉄の改札口となっている。右手前方に「火车站」という案内サインがあるので、これに従い連絡通路に入っていく。

火车站入口

連絡通路は部分的に動く歩道が設置されているが、ひたすら歩くことになる。しかし、途中に段差は無いのでスーツケースを持っていても苦労することは無い。

連絡通路

早歩きで5分程かかって駅構内に到着する。コンコースには有人窓口が1ヶ所と数台の券売機がある。外国人は原則として券売機は使えないので、窓口で切符を購入することになる。

駅コンコース
有人窓口
発車案内

乗車券購入・乗車

これから乗る予定の列車は11:05発のC6732広州東行き。ちょうど30分前に到着したので順調だ。。。と思ったら思わぬハプニングが発生してしまう。

3つある窓口で係員がいるのが1つのみ。先客は1名なのですぐに順番が回ってくると思ったら、どうも発券端末の調子が悪い様子。係員が強制シャットダウンして再起動させている。案内用のモニターにWindows7の起動画面が出たがシステムがなかなか立ち上がらない。

数分かかりようやく先客の乗車券が発券された。時刻は既に10:45を回ってしまった。

C6732列車で虎門北までの発券を依頼したが、出された乗車券は次の11:48発C6720列車。チェンジしてくれと申し出たら、何とC6732はもう発券できないとのこと。

窓口の表示をよく見ると、発車20分前で発売終了とある。自由席なのでもっとギリギリまで発券可能かと思ったが甘かった。最新の鉄道とはいえ、やり方はあくまで「火車」なのだと再認識。

次列車に乗ると虎門駅での乗り継ぎがギリギリになってしまう。できればC6732列車に乗りたい。そのとき、一連の様子を見ていた別の中国人男性客が助け舟を出してくれた。

C6720列車の発車時刻までまだ10分位ある。次列車の乗車券を持って改札口に行き、その男性客が改札係員に交渉してくれた結果、C6720列車に乗車させてもらうことに成功した。やれやれ一安心だ。

地下2階のホームに降りて乗車する。かなり空席があったが、正規の乗客が乗ってくるかもしれないので発車まで着席しないようにとのこと。

11:02、ドアが閉じる。男性客曰くもう座ってもいいとのことで、空席に座る。乗車率は2割程度か。

車内の様子

11:04、定刻より1分早く発車。列車はゆっくりと地下ホームを後にする。

深圳機場発車

車内の様子

近郊タイプのCRH6A型には初乗車である。車両は全車二等車のモノクラス8両編成。

広めのドア部にはデッキは無く、ある程度の混雑に対応できる構造。車端部には折り畳み式のロングシートが設置されている。連結部も開放的で中国国鉄の車両とは思えない造りだ。空港連絡鉄道らしくスーツケース置き場もある。

ドア付近
車端部
連結部

座席は集団見合い式の固定クロスシート。シートにはリクライニング機能は無いが、通路側下部にはモバイル電源が装備されている。

客室
シート

列車は次の深圳機場北を通過、地下から出て高架区間となる。まだ出来たばかりなので、コンクリート路盤の”スラブ軌道”が真新しい。

しばらくして最初の停車駅、福海西に停車。各駅にはホームドアが設置されている。

福海西駅

途中駅からの乗車客はほとんどない。まだ沿線住民からは日常の足としては認知されていないのかもしれない。

次の沙井西で対向列車とすれ違う。

沙井西駅

列車は深圳市内から東莞市内に入る。沿線は新興開発地のようで、建設中のビルも多い。長安、長安西と細かく停車し、再び地下区間へと入る。

沙井西-長安間
長安西駅

11:47、地下駅の虎門北に定時到着。助け舟を出してくれた男性客に丁重にお礼を言い下車する。

虎門北駅到着

広州東に向けて発車していく

虎門北駅から虎門駅への乗り換えの様子

虎門北駅は穗深城際鉄路の地下駅であるが、隣接して広深港高速鉄路の虎門駅と、東莞軌道交通2号線の虎門火車站駅があり、相互に乗り換えができる。

虎門北駅コンコース

広深港高速鉄路、東莞軌道交通(地下鉄)2号線ともに地上の高架駅。エスカレーターで昇り地上に出る。

床に案内サインが掲示されているが、ちょっと分かりにくい。サインに従いD出口へと向かう。

案内サイン
D出口への通路
地上へのエスカレーター

エスカレーターを昇りきると目の前に地下鉄の駅が現れる。所要時間は1~2分程度。

地下鉄虎門火車站駅入口

虎門北駅出口を振り返ると下の写真の通り。薄暗くてまだ工事中のような雰囲気。

虎門北駅入口

左手には地下鉄2号線と広深港高速鉄路の交差部が見える。2号線は大部分が地下区間であるが当駅付近のみ高架駅。2019年現在、当駅と広九線(広深鉄路)乗り換え駅の東莞火車站駅を結んでいる。

2号線と広深港高鉄の交差部

要所には乗り換え案内サインが掲示されており、乗り換えが重視されていることがわかる。

乗り換え案内サイン

さて、広深港高速鉄路の虎門駅に向かうことにする。地下鉄駅入り口から高鉄の高架下に続く通路が見える。何もないのでやや殺風景な雰囲気だ。地下鉄駅から高鉄駅の入口までは1分もかからない。

地下鉄駅から高鉄駅への通路
高鉄虎門駅入口へのサイン
高鉄駅側からの乗り換えサイン

高架下にある虎門駅入口はやや混雑している。今までの閑散とした状況とは大違いで、いかにも”中国の駅”という感じがする。

虎門駅入口

感想

この鉄道の開通により、広州市内・東莞市内から深圳空港へのアクセスが更に便利になった。今後予定されている広州白雲空港への延伸が実現すれば、空港間連絡輸送としての使命も持つことになる。

一方、実際に利用してみた感想としては、やはりオペレーションが中途半端な感じがした。見た目は最新式の鉄道であるが、実態は昔ながらの「火車」の要素が強い。地下鉄や日本の鉄道のような感覚で利用しようとすると、今回のようなハプニングが発生する可能性もある。

1本列車を遅らせて乗る余裕がない場合は、発車1時間前までに駅に到着していた方が安全だ。だが、長距離列車ならともかく、このような利用方法をとらざるを得ない仕組みは、都市近郊輸送としては失格といってもよい。

中国国鉄は現在も輸送近代化の変革期にあると思われる。ネットや最寄りの駅で全国の列車の予約が可能になったのは大きな進化であるが、今後は近距離輸送に適した効率的な仕組みの構築も期待したい。

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