【2019年10月】航空搭乗記:上海航空 上海浦東→桂林

上海浦東国際空港で、成田発の国際線から中国国内線に乗り継いで、桂林に向かいました。2019年9月に完成したばかりの「南サテライト」からの出発です。ターミナル1から南サテライトへの乗り継ぎの模様も含めてお伝えします。

フライトデータ

項目 フライト
航空会社 上海航空(Shanghai Airlines)
便名 FM9369 (MU9369)
発地 上海浦東国際空港(PVG)
着地 桂林両江国際空港(KWL)
機種 B737-800
機体記号 B-206W
出発時刻 予定18:15 実際18:22
到着時刻 予定20:50 実際20:48
所要時間 2時間26分
搭乗クラス エコノミー
座席番号 34L

はじめに

上海航空は、上海が拠点のフルサービスキャリアである。

1985年に中国初の民間航空会社として発足。国有の”民航系”航空会社とは一線を画したサービス水準で高い評価を受けていたが、2010年に独自路線から一転、民航系メガキャリアの中国東方航空の傘下となり現在に至っている。

かつてはANAと同じ航空連合「スターアライアンス」に加盟していたが、東方航空傘下となった現在は、親会社と同じ「スカイチーム」に加盟している。

中国では中堅クラスの規模のキャリアであるが、日本線をはじめとした国際線も多数運行している。2019年10月現在、日本には羽田、関西、中部、富山の4空港に乗り入れしている。

今回搭乗した上海浦東-桂林線は、この上海航空が4往復/日で最も便数が多い。いずれも親会社の東方航空とのコードシェア便となっている。

浦東空港での乗り継ぎ

成田からの中国東方航空MU524便は42分遅れの16:57、浦東空港ターミナル1に到着。桂林行FM9369便は南サテライトH105番から17:45搭乗開始・18:15出発なので、乗り継ぎ時間は約1時間しかない。果たして無事に乗り継げるであろうか。

降機しターミナルに入るとすぐに東方航空の制服を着た係員が待っていた。既に成田で乗り継ぎ便の搭乗券を発券してもらってあるのでそれを呈示すると、服に貼っておいた青い乗り継ぎシールが剥ぎ取られ、代わりに「急転旅客」と表示されたオレンジ色のエクスプレスコネクションシールをもらった。

”急転旅客”ワッペン

桂林への乗り継ぎ客は15名程度。すべて日本人で主に団体ツアー客。世界遺産桂林の観光ツアーであろう。

乗り継ぎ旅客が全員揃った17:08、東方航空係員の引率で”乗り継ぎツアー”出発。まずは自動指紋採取機で指紋登録。両手の指10本の指紋を取られる。

”乗り継ぎツアー”出発

次に国内線乗り継ぎ専用の入国審査場に向かう。カウンターは1箇所しか開いてなかったが、”急転旅客”がどっと押し寄せたので、急遽審査官が増員されもう1箇所カウンターが開いた。

それにしても、酒に酔って大声を出す日本人団体客のマナーが悪い。順番を待っている間、入国審査官から静かにするよう注意されてしまった。筒井康隆の『農協月へ行く』という小説を思い浮かべてしまう。

入国審査を終え税関を抜けるとエスカレーターで2階に。ここで保安検査を受ける。既に時刻は17:30を回っている。

国内線乗り継ぎ通路

5分ほどで保安検査終了。ここで先程の東方航空の係員が待っていてくれた。この先左手にあるエスカレーターを降りるよう案内される。

降りた先は何と”地下鉄”のホーム。ターミナル1と南サテライト間を結ぶシャトルであるが、よくある”新交通システム”的な乗り物ではなく、鉄レールの本物の”鉄道”だ。

”地下鉄”ホーム

線路は2線で、真ん中に乗車専用の島式ホーム、各線の反対側に降車専用ホームがある。5分間隔で、2線を交互に運行。ホームドア上部には次の発車までの分・秒が表示されている。

しばらくすると電車がやってきた。向かい側のドアから乗客が下車する。

シャトル電車(向が降車専用ホーム)

しばらくして乗車ホーム側のドアが開いたので乗車する。車両はほぼ地下鉄そのものであるが、座席がほとんど無いので特異な雰囲気。車体が大きいので輸送力は十分にありそう。

シャトル車内

すぐにドアが閉まり発車。走る様子は地下鉄と全く同じで速度も高く、空港内シャトルのレベルではない。

調べてみると、この「浦東機場捷運」は、ターミナル1と南サテライトS1エリアを結ぶ延長2.37kmの「西線」と、ターミナル2と同S2エリアを結ぶ延長2.16kmの「東線」の2路線があり、両線と車両基地の間には連絡線があるとのこと。将来ターミナル3が開業した暁には区間が延長される予定。

軌間は1435mm、第三軌条集電方式で最高速度は80km/h。車両は「A型車両」と呼ばれる中国地下鉄標準型電車。スペック的には一般の地下鉄と遜色ない。

4両編成だが、国内線旅客と国際線旅客で2両ずつ車両が分けられている様子。ドア上部には液晶表示器があり、目的地のゲート番号が表示されている。

ドア上部の表示器

約3分程で南サテライトの”駅”に到着した。開業したばかりの新しい建物はピカピカだ。ホームから搭乗エリアまではエスカレーターを昇るとすぐ。案内サインも非常に分かりやすい。

搭乗口へ向かう

搭乗

機内へ

時刻は17:48、すでに搭乗開始時刻を過ぎてしまっている。搭乗案内板を見るとファイナルコールの表示が。急ぎ足でH105番ゲートに向かう。

搭乗案内板

まだ発着便数が少ないのか、人の気配がほとんど無い。目指すH105は遥か彼方。もっと近いゲートにしてくれよと心の中でつぶやく。

H105に向かう

17:52、やっと到着したら乗客はもう誰もいない。カウンターの係員が待ってましたとばかりに案内してくれる。

H105番ゲートに到着

シート

搭乗済みの乗客の注目を集めながら席に向かう。機種はボーイング737-800、機体記号はB-206W。経年1年の新しい機体なので機内も非常にきれい。

シートは3-3の横6列。残念ながら個人モニターは装備されていないが、座席の下にUSB電源がある。

機内の様子
シート背面
座席下のUSB電源

この機体は国際線にも使われているようなので、シートピッチも広く快適だ。

出発

しばらくして成田便から一緒に乗り継いだ団体客も搭乗してきた。取り残される事無く全員無事に乗り継ぎができたので一安心。

出発前の様子

客室乗務員により安全確認が念入りにされる。中国の航空会社は、サービスレベルは一流とは言えないが、安全性に関しては信頼できると思う。エアラインの格付けを行う「AirlineRatings」によると、この上海航空、親会社の中国東方航空ともに、安全度は最高点の”7”となっている。

18:22、定刻よりやや遅れて出発。アナウンスは中国語と英語のみ。飛行時間は2時間10分と案内があった。

タキシング

18:33、西側の平行滑走路(RWY35R)から北に向け離陸。一旦停止しないローリングテイクオフで巨大な浦東空港を飛び立った。

離陸

機内サービス

離陸から約20分後にベルト着用サインが消灯。しばらくして機内サービスが開始される。

最初にペットボトルの水が配られた。続いて、機内食の配布。国内線といえども飛行時間が比較的長いので、しっかりとした食事が出る。

ミネラルウォーター

メインは中華風ミートボール。箱の中身はパンかと思ったら、ジュースと漬物が入っていた。味は普通で、成田からの東方航空で出されたものよりは美味しかった。

機内食

到着

揺れることなく順調に飛行。しかし、客層からか機内はやや騒がしい。音もれ状態で映画を視るのはやめてほしい。

20:00頃、40分後に着陸とのアナウンスがあり降下開始。桂林市街の夜景を眼下に見ながら一旦北西に機首を転じる。

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北側からぐるっと回り込むようにして滑走路(RWY19)にアプローチ。20:45着陸。

コンパクトな空港なので地上移動は短い。20:48、209番スポットに到着した。

209番スポット
到着

さて、預け荷物は無事に運ばれたであろうか。中国の乗り継ぎ便はロストバゲージが多いという噂を聞くので不安だ。

ターミナル内は美しい電照看板があちこちに設置されている。中国はド派手な広告が大好き。荷物引き取り所も巨大な電光スクリーンで非常に賑やか。

電照看板
派手な荷物引き取り所

荷物がなかなか出てこない。10分程待ってようやくコンベアが動き出す。無事荷物をピックアップして空港を後にした。

感想

今やアジア有数の巨大なハブ空港に成長した上海浦東国際空港。今回は乗り継ぎ時間が短く、ターミナルも異なるという、やや難易度が高い乗り継ぎであったが、東方航空係員の適切な案内で無事搭乗することができた。

新しくオープンした南サテライトへのターミナル間移動も、時速80km/hの高速電車で極めてスムーズだ。

上海航空は今回が初めての搭乗であった。保有機材はB737等の小型機が主流だが、比較的新しい機体が使われているので、快適なフライトを楽しむことができる。

個人モニターを装備した新鋭のB787-9 Dreamlinerは主に中長距離の国際線に使用されている。日本線にはめったに使われない様子であるが、機会があったら乗ってみたい。

一方、機内食に関しては、国内線にしては立派であるが質は今一といった感じ。高望みはできないが、東方航空ともども質の向上に努めてほしい。

関連リンク

上海航空

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