バンコク・スワンナプーム空港から成田空港まで、ANAのプレミアムエコノミークラス(”プレエコ”)に乗りました。今回、ビエンチャン発のタイ国際航空便から乗り継いで搭乗しましたが、その乗り継ぎの様子と、初利用のエバー航空ラウンジのレポートも含め、詳しくお伝えします。
フライトデータ
項目 | フライト |
---|---|
航空会社 | 全日本空輸(All Nippon Airways) |
便名 | NH808 |
発地 | スワンナプーム国際空港(BKK) |
着地 | 成田国際空港(NRT) |
機種 | B787-9 |
機体記号 | JA836A |
出発時刻 | 予定0:20 実際0:27 |
到着時刻 | 予定8:40 実際8:47 |
所要時間 | 6時間20分 |
搭乗クラス | プレミアムエコノミー |
座席番号 | 16A |
はじめに
ANAは、言わずと知れた日本を代表する航空会社。日本から世界各地に路線網を伸ばしている。
今回搭乗した東京-バンコク線は、羽田発着便3往復、成田発着便2往復の計5往復の運行。同社の東南アジア代表路線の一つである。
今回、日程の関係で往路はハノイ経由のベトナム航空/ラオス航空、復路はバンコク経由のタイ国際航空/ANAの、4社4区間バラバラというかなり変則的な行程となってしまった。全区間エコノミークラスのチケットだが、最後のANA便で楽しみなことが一つあった。
それは、同社の上級会員向けサービスである”プレミアムエコノミー無償アップグレードサービス”。残念ながらこの9月限りで終了してしまうサービスであるが、空席があればエコノミーからタダでアップグレードされるので非常にお得な話。
さて、実際にこのサービスを使うとなると、単純往復の行程なら話は簡単であるが、他都市発、他航空会社から乗り継ぎというシチュエーションで、果たしてこのサービスが使えるのかどうか不明な部分があった。これは実践して確かめてみるしかない。
スワンナプームでの乗り継ぎ
ビエンチャンからのTG575便を降機し、ターミナルの到着エリアに着いたのはちょうど22:00。これから乗る成田行NH808便は23:50搭乗開始となるので、まだかなり時間はある。
ビエンチャンのタイ国際航空カウンターでチェックインした際に、成田までのANA便名の搭乗券が発券されていた。いわゆる”スルーチェックインサービス”である。同じ航空連合(スターアライアンス)に加盟しているからこその便利なサービス。
しかし、ビエンチャンでのチェックイン時に、係員からはアップグレード云々の話は全く出なかった。事前に座席指定してあったため、その通りの搭乗券が発券されてしまった。このアップグレードはANA独自のサービスなので、同じアライアンスとはいえタイ国際航空が関知する話ではないのであろう。
とりあえず、乗り継ぎのために出発フロアに向かうことにする。乗り継ぎゲートは東西2箇所に分かれているので、ここから近い(といっても280mあるが)西側のゲートに向かう。
ここスワンナプーム空港は何度も利用しているので構造はだいたい理解しているが、移動距離の長さにはいつも閉口させられる。
5分ほどで乗り継ぎゲート到着。保安検査を受けて3階に昇る。空いていたので5分程度で通過できた。
さて、このまま何もしなければ権利を行使することなく乗ってしまうことになるであろう。各航空会社の乗り継ぎカウンターは、この3階にある。免税店が並ぶ4階に比べて人通りはずっと少ない。ANAのカウンターを探す。
乗り継ぎゲートからほど近い所に、ANAの看板が掲げられているカウンターがあった。係員はもちろんタイ人。制度の存在は知っているではあろうが、最初からアップグレード希望丸出しで話をするのも気が引けるので、とりあえず搭乗券を出して指定していた窓側から通路側に変更できるか聞いてみた。
すると、係員の方からプレエコを希望するかと聞いてくるではないか。そうなると話は早い。OKと即答し搭乗券を再発券してもらう。
エバー航空ラウンジの様子
あとは搭乗を待つのみ。まだ時間があるのでラウンジで一休み。未訪であった、エバー航空のラウンジに向かう。
中に入り受付へ。先ほどアップグレードした時にラウンジインビテーションも発券してもらえたので、それを提出する。
最初に、シャワーの申し込みをする。搭乗券を預け、順番までしばらく待つ。
内部は黒が基調の近未来的な内装。おしゃれなバーといった雰囲気。エバー航空といえばコーポレートカラーの緑とサンリオの某キャラクターという印象だが、そんな要素は全くない。
噂通りフード類は充実していた。台湾のキャリアらしく、点心もある。
10分ほど待つと、シャワールームに案内された。室内は思ったより広く、脱着衣も不便ではない。洋式のトイレもある。アメニティも一通りそろっており、ホテルのシャワールームと変わらない。
搭乗開始15分前にラウンジを出る。搭乗ゲートはD3ゲートなので、今いるコンコースFからはやや歩かなければならない。
搭乗
機内へ
23:52、優先搭乗開始。最上級のダイヤモンドメンバーが最初。続いてビジネスクラス、プラチナ・SFCメンバーの搭乗。早速乗り込む。機内に入ると、おなじみANAのテーマソング、葉加瀬太郎作曲「Another Sky」が流れている。
機種はボーイング787-9”Dreamliner”。機体記号はJA836A。経年4年ちょっとの比較的新しい機体。787はANAの主力機種であり、東京-バンコク線の全便に使用されている。
なお、このNH808便はANAの便名を冠しているが、運行はANAの子会社「エアージャパン」による。「コードシェア便」ではなく、「運送の共同引受」によるグループ会社内の委託便である。
シート
プレエコは2-3-2の横7列。エコノミーの横9列に比べ、かなり余裕がある。
シートはエコノミークラスとビジネスクラスの中間的な仕様。足元もエコノミーに比べかなり余裕があるので、長時間フライトでも疲労度は軽減される。リクライニングとフットレストが装備されている。
もちろん個人モニターも装備されている。また、シートポケットには冊子類の他に、スリッパとヘッドホンも用意されている。スリッパは持ち帰り可能だ。
客室乗務員がアメニティグッズの配布をする。アイマスク等の安眠グッズがもらえる。
出発
0:19ドアクローズ。機内アナウンスは日本語、英語、タイ語。タイ人乗務員も乗務していると思われる。0:27、定刻よりやや遅れて出発。
歌舞伎の安全ビデオは初めて見た。近年、各航空会社とも乗客の興味を集めようと趣向を凝らした安全ビデオが作られている。
客室乗務員が点検個所を指差確認する。点検も念入りだ。”世界のリーディングエアライン”を目指すというのはこういうことだと思う。
地上移動(タキシング)で東側の滑走路に向かう。0:47、北側(RWY19L)から離陸。一旦停止しないローリングテイクオフ。離陸後すぐに東に針路をとる。
機内サービス
しばらくして、ドリンクサービスが始まる。その後、夜食が配布された。中身は菓子パンとスナック類、水だ。
サービスが終わると機内照明が消灯される。エアコンが効いていて若干寒いので、ブランケットを被って寝る。
気が付いたら沖縄上空を飛行していた。時刻は4:40頃。朝食が配布される。和食と洋食の2種類から洋食をチョイス。メインはチェダーチーズのオムレツ。
四国、紀伊半島沖を順調に飛行する。風は追い風だったり向かい風だったりで、速度は940km/h程度とそれほど速くはない。
左側に富士山の頭を望み、着陸態勢へと入る。いまだに梅雨が明けない日本列島は雲に覆われていた。
到着
霞ヶ浦から大きく回り込み、B滑走路北側(RWY16L)にアプローチ。8:35着陸。
8:47、第1ターミナル38番スポットに到着。出発7分遅れ、到着も7分遅れ、予定通りぴったり6時間20分のフライトであった。
感想
安定のANAのサービス。乗り継ぎカウンター、搭乗、機内サービスいずれもストレス無く快適なフライトを楽しむことができた。
ますます進化し豪華になるビジネスクラスと、ほとんど変化しないエコノミークラスの隙間を埋める存在として誕生したプレミアムエコノミークラス。
エコノミーと大きく違う点は、シートと付帯サービス(ラウンジ使用、優先チェックイン等)であるが、機内食、ドリンクの機内サービスは一部路線を除きエコノミーと同じである。
これは、既にプラチナやSFC等の上級会員になっているユーザーにとっては、正直さほどメリットは無いのかもしれない。
残念ながら無償アップグレードは終了となり、やや敷居が高くなってしまうプレエコ。その分機内サービスでもエコノミーとの差別化を図り、利用者にとって更に魅力的なクラスになるよう期待している。
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