北京南駅から天津駅まで高速列車「商務座(ビジネスクラス)」に乗車しました。北京南駅の専用ラウンジの様子もお伝えします。
また、合わせて北京南駅の一時預り所についてもご紹介します。
乗車データ
項目 | データ |
---|---|
事業者 | 中国鉄路総公司(CR) |
路線 | 京津城際線 |
列車番号 | C2063 |
乗車駅 | 北京南 |
降車駅 | 天津 |
出発時刻 | 予定18:00 実際17:59 |
到着時刻 | 予定18:30 実際18:30 |
所要時間 | 31分 |
乗車クラス | 商務座(ビジネスクラス) |
基本情報
今回乗車した京津城際線の基本情報は、下記記事を参照のこと。
乗車体験記
北京南駅一時預り所
ホテルをチェックインしたあと、列車で移動の前に大きな荷物を預けて少し観光したい。そんな時は日本なら主要駅には必ずコインロッカーという便利な”箱”が存在する。
しかし、ここ中国ではそのようなものは見たことが無かったが、今回、北京南駅の一角で初めて目にした。
場所は出発コンコース北側。中国も変わったものだと感心したが、実は有人の一時預り所(行李寄存処)の保管スペースとして活用されていた。
ロッカー自体は電磁ロックの近代的なもの。そのロッカーの前には小さなカウンターがあり、女性の係員が2名配置されていた。これではあまり意味無いじゃないかと思ったが、本格的な無人ロッカーとして運用されるまでの過渡期なのかもしれない。
料金は中型が7時間以内15元・12時間以内20元、大型が7時間以内20元・12時間以内30元。預けるには、これから乗る列車の乗車券とパスポートなどの身分証明書が必要。
身軽になったところで一旦駅を離れることにする。
商務座専用ラウンジの様子
再び北京南駅に戻ってきた。構内に入るには安全検査を通過しなければならない。
今回乗車する天津行の列車は18:00発車。かなり奮発して商務座(ビジネスクラス)に乗ってみることにした。運賃は174元(日本円2,784円)で、一番安い二等が54.5元(日本円872円)なので、その3倍以上もの金額だ。
一時預り所から荷物を引き取り、さっそく商務座専用ラウンジ(商务座旅客候车区)に向かう。発車時刻まで30分あるので、少しゆっくりしたい。
場所は出発コンコースの中央部西側。左右2箇所あるが、うち右側のエリアは17時で閉まってしまうので、左側のエリアに入室する。入口付近には商務座専用と思われる安全検査場もある。
受付で乗車券を呈示し入室。高級そうなソファーが並んでいる。仕切が比較的高いので、ある程度のプライベート空間が保たれている。
非常に空いている。ほとんどがビジネスマン風の乗客。サービスコーナーではドリンクと菓子のフリーサービスがある。
C2063次に乗車
発車時刻が近づいてきたので、ラウンジを後にし改札口(检票口)へ向かう。発車ホームは19番線。商務座だからといって優先乗車の優遇措置は無かった。
乗車率はほぼ満席に近い。夕方なので北京から天津へ帰る通勤客もいるのだろう。
車両はCR400BF型。最新型の「復興号」高速電車だ。
指定された座席は8号車の1F。最後尾車両の最後部。8両編成のうち商務座は両端1号車と8号車の半室で、1室当たり定員は3席(1+2)×2列の6名。
シートは電動リクライニングの回転シートで、全部倒すとほぼフルフラットになる。
窓際のサイドラックには車内誌とスリッパが入っている。
各席には枕が備え付けられている。また、乗務員に頼めば国鉄マークの入ったブランケットを貸してくれる。これでフルフラット状態にしてガチ寝も可能。
内装は木目の化粧版でドアはスモークガラス。床はカーペット敷き。室内は清潔で全体的に高級感が漂っている。
17:59、定刻より早く発車。速度を上げていき、あっという間に300km/hを超える。この京津城際線の最高速度は350km/hである。
発車後しばらくすると、乗務員による車内サービスが始まった。水と菓子袋、ウェットタオルが配られる。
そうこうしているうちに天津に到着してしまった。僅か30分。正にあっという間であった。
感想
今回初めて商務座を利用してみた。お試し体験的な乗車時間であったが、設備・サービスともに日本でも通用するレベルであると思う。特に、この短時間でもちゃんと車内サービスが行われたのには少し驚いた。
ただ、若干気になったのは、高速走行時の揺れである。今回乗車したのは最後尾車両なので、おそらく空気が後方に抜ける時の乱流の影響かもしれない。この点は、空気対策を徹底的に行っている日本のN700系の方が優れているのではないかと思う(確証は無いが)。
また、シート座面と窓の間が少し離れているので、窓側席であっても景色は遠くに感じる。サービスより車窓をしっかり楽しみたい場合は、1等か2等の方がよい。
いずれにしても、今回乗車した区間のような短距離であれば、日本人にとってはさほど高い運賃ではないので、機会があれば一度体験してみることをお勧めする。
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