【2019年8月】航空搭乗記:海南航空 羽田→北京

イギリスの航空リサーチ会社「スカイトラックス」社の格付けで、最高評価の”5つ星”の認定を受けているのは、世界中の航空会社でたった10社のみ。その一つが、この海南航空です。

果たしてその実力は如何に。実際に搭乗してみた時の様子を詳しくお伝えします。

フライトデータ

項目 フライト
航空会社 海南航空(Hainan Airlines)
便名 HU7920
発地 東京国際空港(HND)
着地 北京首都国際空港(PEK)
機種 B787-9
機体記号 B-1499
出発時刻 予定2:40 実際2:59
到着時刻 予定5:30 実際5:39
所要時間 3時間40分
搭乗クラス エコノミー
座席番号 51G

はじめに

海南航空は、その名の通り中国海南省を本拠地とする航空会社。中国の4大航空会社の一つで、傘下には香港航空、天津航空などが名を連ねる。

2019年8月現在、日本線は今回利用した羽田-北京線の他に、成田-西安、関西-海口、関西-西安、新千歳-杭州の6路線があり、いずれもデイリー(毎日運行)ではなく週2~3便の運航。

羽田発は月木土、北京発は日水金で、羽田発の便は東京-北京線唯一の夜行便となっており、時間に限りがある旅行者にとっては利用価値が高い。

チェックイン

23時少し前、羽田空港国際線ターミナルに到着。今回搭乗するHU7920便は2:40出発なので、かなり時間がある。チェックイン案内表示を見ても、まだ欄外にある状態。

羽田空港国際線出発ロビー
チェックイン案内表示

こんな時間なので、チェックインカウンターに行ってもまだ誰もいないはず、と思いつつ海南航空のサインが掲げられているBカウンターに行ってみた所、すでに長蛇の列ができていた。おそるべし中国便。

出発3時間半以上前、22:56の様子

実は、公式サイトですでにオンラインチェックインを済ませてある。こんな時間から列に並ぶのも面倒くさいので、この場を離れカフェで一休みする。

0時を回って、再びBカウンターに向かう。すでにチェックインは開始されていた。エコノミークラスの列はベルトパーテーションの区画をはみ出して、隣のDカウンター付近まで伸びている。

0:08の様子

荷物だけ預けてサクッと出国してしまおう、と思いオンラインチェックイン専用カウンターを探したが見当たらない。

もしかしたら、ガラガラのビジネスクラスカウンターを利用できるかもしれない。案内係の初老の男性係員に懇願気味に尋ねると、ちょっと待ってて、とカウンターの係員に相談しに行ってくれた。

しばらくして戻ってきた係員氏が申し訳なさそう一言、エコノミークラスの列に並んで下さい。やれやれ、一体何のためのオンラインチェックインなんだろうか。自動発券機も使えないので、預け荷物が無い場合でも、紙の搭乗券をもらうためだけに並ばなければならない。ちなみに隣のフィリピン航空は、ちゃんと専用のカウンターが用意されており、うらやましい限り。

ガラガラのビジネスクラスカウンター

仕方がないので、列の最後尾に並ぶ。時刻は0:12。

30分経過、まだベルトパーテーションの区画にすら入れない。

1時間経過、ようやくゴールが見えてきた。エコノミーのカウンターは4箇所開いており、係員が奮闘している。それにしても中国便の利用客は荷物が多い。

1:20、荷物預け完了。紙の搭乗券を発券してもらう。さすがにこの時間だと行列もかなり短くなってきている。

1:23の様子

搭乗開始時刻は1:55。急いで保安検査場に向かう。2箇所ある内の北側の検査場は1:00までなので、唯一開いている中央検査場はやや混雑していた。

15分ほどで出国完了。所持しているカードで入室可能な「SKY LOUNGE」に飛び込み、大急ぎでシャワーを浴びる。

搭乗

機内へ

出発ゲートは145番。2:00時点ですでに搭乗が開始されていた。ここでも長蛇の列。なお、ビジネスクラスは専用の通路が確保され、係員がサインを掲げて案内していた。

145番ゲート

今回は通路側を選択したので、早めに搭乗する必要は無い。列が短くなった時機を見計らい、2:10過ぎに搭乗。先ほどチェックイン時に尋ねた初老の係員が案内していた。ここ羽田のグランドハンドリング業務はスイスポートジャパンが受託している。

搭乗
新聞とイヤホン

シート

機種はボーイング787-9 ”Dreamliner”。機体記号はB-1499。経年2年弱の新しい機体だ。同社の機材の平均経年は5年。新しい飛行機は自慢の一つ。

エコノミークラスのシートは3-3-3の横9列。同社のシンボルカラーである赤色のシートが並び華やか。

シートピッチは公式サイトの情報では31~32インチとやや狭めだが、さほど窮屈ではない。

シート背面には機内エンターテイメントシステムの9インチモニターが装備されている。言語は中英独仏露の5ヶ国語。残念ながら日本語は無い。

モニター

シートポケットには機内誌と機内販売品カタログが備えられている。また、シート下方にはモバイル用電源コンセントが設置されている。日本で使われているAタイプのプラグが使用可能。

なお、モニター下部にもUSB端子が設けられている。

シートポケット
モバイル電源

出発

2:30にはほぼ搭乗が完了した。ほぼ満席で、ほとんどが中国人と思われる。

チャイナドレスの制服を着たCAさんがイヤホンを配る。この鮮やかな制服も同社の自慢の一つで、世界で活躍する中国人ファッションデザイナーのローレンス・シュー氏のデザイン。「バラ色の雲」をイメージしているとのこと。

出発時刻の2:40を過ぎたが、なかなか動き出さない。多くの乗客は眠りに入っている。クラシックピアノのBGMが流れ、機内はいたって平穏だ。

2:59、ようやく出発。機内アナウンスは英語と中国語のみ。日本人乗務員はいない様子。

3:17、D滑走路西側(RWY05)から離陸。機体はすぐに大きく右旋回し、西に向かう。

機内サービス

離陸20分後、ベルト着用サインが消える。すぐに機内サービスが始まった。こんな真夜中だが、ドリンクサービス、機内食配布と、フルサービスが展開される。

ドリンクサービス

4時を過ぎた頃、機内食が配られた。夜食なのか朝食なのか微妙な時間帯。チキンライスとビーフヌードルの2種類。後者を選ぶ。評判通り味は上々。日本人には苦手な人も多い八角などの香辛料は使われていない。フルーツにカップケーキ、加糖ヨーグルト、ジャムが並び、甘いものが多い印象。

機内食

機内食を食べ終わった頃には、すでに韓国上空に差し掛かっていた。機内エンタメのフライトデータでは、高度12,000m前後、対地速度900km/h前後、向い風がやや強い。

到着

一眠りすると、窓の外が明るくなってきている。

渤海湾から天津上空に入り、高度を下げていく。着陸の順番待ちか、右に左に旋回し、南側からアプローチ。

5:24、RWY36Rに着陸。5:39、最南端に近いまさかの沖止め610番スポットに到着。降機後ターミナル2までバスで長距離移動となる。

610番スポット到着
巨大なB787が間近に

10分近くバスに乗車し、ターミナル2の建物に到着。外国人旅客が少ないので、入国審査はあっという間。イミグレ手前に指紋自動採取機があり、両手10本の指紋を登録すると”OK”の紙が発行される。それをイミグレで提出しても、なぜか再度左手のみ4本の指紋を取られた。

中国の象徴が歓迎してくれる

感想

格付け的には世界の”10本の指”に入る航空会社、海南航空は今回が初めての利用であった。

率直な感想としては、機材や機内サービスは上々ではあるが、チェックイン体制は落第と言わざるを得ない。これは羽田のグランドハンドリング側の問題なのかもしれないが、せっかくオンラインチェックインが可能であっても、専用の荷物預けカウンターが無いので、制度の意味がほとんど無い。メリットといえば早く座席が指定できる程度か。

なお、同社公式サイト内のオンラインチェックイン注意事項のページには、APP上で電子航空券の生成ができる空港の一つとして”東京羽田”が記載されていが、Android端末で同社のアプリをインストールしてチャレンジしてみたができなかった。Appleは試してないので不明。

いずれにしても、これは中国のキャリア全般に言えることではあるが、特に地上側のオペレーションの”詰めが甘い”という印象が強い。

改善すべき点があるということは、延び代があるということ。日系の航空会社に刺激を与える意味でも、サービスをブラッシュアップしつつ、更なる日本路線の充実を期待したい。

関連リンク

海南航空

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