【2018年12月】鉄道乗車記:釜山から東大邱へ高速列車「SRT」に乗車

韓国高速鉄道に乗車しました。KTXのライバル”SRT”初乗車です。

乗車データ

項目 データ
事業者 SR
路線 京釜高速線
列車種別 SRT
列車番号 310
乗車駅 釜山
降車駅 東大邱
車両形式 SR130000系電車
出発時刻 予定7:20 実際7:20
到着時刻 予定8:08 実際8:18
所要時間 58分
乗車クラス 特室

はじめに

朝7時過ぎの釜山駅コンコース。まだ夜が明けたばかりで人影もまばらだ。この日は12月にしては異例の寒さで、底冷えする寒さが身に染みる。

これから乗車する高速列車「SRT」は、韓国の高速列車ブランドの1つ。韓国鉄道公社KORAILの「KTX」のライバルとして、2016年12月から運行されている。

ソウル側の発着駅は、KTXがソウル駅(一部列車は幸信駅)であるのに対し、このSRTは新たに開業した水西平沢高速線を経由して水西駅に発着する。京畿道平沢市の平沢分岐点以南は、京釜高速線を共用している。

韓国の鉄道は、いわゆる上下分離方式を採用していて、施設は政府が所有し韓国鉄道施設公団が管理、運営はKORAIL等複数の事業者が行っている。欧州の鉄道政策に近い考え方で、公費によるインフラ維持と新規事業者参入による競争原理の導入で、鉄道を活性化させようとするものだ。SRTは「株式会社SR」という会社(筆頭株主はKORAIL)が運行し、KTXより”安い・速い”を売りにしている。

乗車記

7:20発の高速列車「SRT」310列車は、既に6番線に停車していた。韓国の高速列車といえば、韓国鉄道公社(KORAIL)の「KTX」が有名だが、このSRTはKORAILとは別会社が運行する列車だ。行先はソウル駅ではなく、ソウル市内南東部にある水西駅。途中まではKTXと同じ京釜高速線を走る。

駅名標
釜山駅6番線に停車中のSRT310列車
ライバル同士が並ぶ
SR130000系高速車両

乗車券は昨夜釜山駅で購入済みである。普通にKORAILの発売窓口で大丈夫だった。今回は東大邱まで48分の乗車時間であったが、やや奮発して特室(日本のグリーン車に相当)にした。運賃は22,600ウォンで前日乗車したITX-セマウルの2倍だが、日本円では2,200円程度とかなり割安である。

特室車内
シート
横から
車内案内表示

シート配列は2-1での3列、シートピッチは1,060mmで日本の新幹線のグリーン車よりはやや狭いが、十分快適だ。シートが良いのか、以前乗車したKTXの特室より居心地が良いように感じる。航空機のような蓋付きの荷物棚が面白い。

7時20分釜山を定時発車、ほどなくして高速線に入り速度を上げる。振動や騒音も少なく乗り心地は上々である。発車後10分もしないうちに、車内サービス品の配布が始まった。

車内サービス
なぜかボールペンも

車内誌もある。ページ数も多く立派なつくりで、レガシー航空会社の機内誌のような感じだ。

列車は京釜高速線を北上する。この釜山・東大邱間は2010年に開業した比較的新しい区間。在来線の京釜線とは異なり、西側の日本海に近い地域を走るが、車窓からは海は全く見えない。

新慶州を通過し、列車は西に進む。このあたりはほとんどトンネル区間なので景色は期待できない。

大邱市街地に入り京釜線と合流した頃、それまで順調に走っていた列車が停車した。東大邱駅に入る信号機(場内信号機)が停止信号なのだろう。案内放送は韓国語のみで詳細は不明だが、どうも満線で駅に入れない様子だ。この時、放送の背後に列車無線の声が飛び交っていたので、なにかトラブルがあったのだろうかと思ったが、ちょうどこの時、江陵線でKTXの脱線事故があったことは後で知ることになる。

およそ10分程度の遅れで東大邱駅11番線に到着した。

感想

SRT開業後初めて韓国高速鉄道に乗車してみたが、KORAILとSRという異なる事業者の列車が違和感なく共存しているという印象を持った。乗車券もSRT停車駅なら普通にKORAILの窓口で購入できる。普遍性の中の競争、というある意味理想的な共存形態に近いのかもしれない。

ただし、利用の上で注意する点として、2018年12月現在外国人はSR社の公式サイト上でWEB予約ができないということ。KORAILの予約サイトでも、KTXは日本で予約可能だがSRTは不可。この点は早急に改善することが望まれる。

関連リンク

SR

鉄道コム

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