タイ・カンボジア、ビジネスクラス弾丸ツアーの帰路2行程目は、1行程目のプノンペン→シンガポールに続き「シンガポール航空」に搭乗しました。未明に出発、早朝に到着という深夜フライトです。
チャンギ国際空港では、ビジネスクラス専用の「シルバークリスラウンジ」を初体験しました。リニューアルされたばかりで大人気のターミナル3ラウンジと、比較的空いているターミナル2ラウンジの2ヶ所をはしごしての利用、その様子も詳しくお伝えします。
なお、ラウンジ含め搭乗時の動画をYouTubeにアップしてありますので、あわせてご覧ください。
項目 | フライト |
---|---|
航空会社 | シンガポール航空(Singapore Airlines) |
便名 | SQ918 |
発地 | シンガポール・チャンギ国際空港(SIN) |
着地 | ニノイ・アキノ国際空港(MNL) |
機種 | Boeing 787-10 |
機体記号 | 9V-SCG |
出発時刻 | 予定2:05 実際2:05 |
到着時刻 | 予定5:40 実際5:28 |
所要時間 | 3時間23分 |
搭乗クラス | ビジネス |
座席番号 | 15K |
イントロダクション
シンガポール航空(SIA/SQ)は、既に前回の記事で紹介している通り英スカイトラックス社のエアライン格付けで「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World’s 5-Star Airlines)」の認定を受けた、世界が認めたエアライン。
2022年10月現在、同社のシンガポール・マニラ線は毎日3往復の運航となっている。
チャンギ国際空港での乗り継ぎ
プノンペンからのSQ157便は定刻21:25よりやや早い到着となった。マニラ行きのSQ918便は深夜2:05発、搭乗開始は1:35の予定で、乗り継ぎ時間は4時間以上あるが、既にプノンペンにおいてマニラまでの搭乗券が発券済み、荷物もスルーであるため、この空港でやらなければならないことは特にない。
ただし、到着したターミナル3から、出発のターミナル2まで移動する必要がある。広大なチャンギ空港ではターミナル間の移動時間はある程度見込んでおく必要があろう。それにしても、このターミナル3の大きさと人の多さには驚いた。床面積は380,000㎡で4つある同空港のターミナルのうちで最大規模を誇る。
さて、すぐにお楽しみのターミナル3ラウンジに向かっても良いのだが、その前に念のためターミナル2への移動を”予習”しておくことにする。
ターミナル3→2間の移動は「Skytrain」というAGT(案内軌条式旅客輸送システム)、東京の「ゆりかもめ」のようないわゆる”新交通システム”を利用する。行き方は「Skytrain to T2」という案内サインに従えばよく特に難しいことはない。
朝4:30から翌1:30まで数分間隔で運行。もちろん無料で利用できる。途中で空港道路を横断、ライトアップされた管制塔が見える。
約3分でターミナル2に到着。あっという間の小旅行であった。これで”予習”は終了したので再びSkytrainに乗りターミナル3に戻る。
シルバークリスラウンジ
「シルバークリスラウンジ」はシンガポール航空のラウンジブランド名称。世界各地の同社就航空港に展開されているが、お膝元であるここチャンギ空港は特別で、他の空港はエコノミークラス搭乗客でも一定条件をクリアしていれば利用できるのに対し、本空港ではビジネスクラス以上の搭乗客でないと利用できない。そのため、敷居が高い分ラウンジのクオリティの高さには定評がある。
なお、本空港には他に「クリスフライヤー・ゴールドラウンジ」があり、こちらはエコノミーでもスターアライアンスゴールドなど一定条件をクリアしていれば利用可能。
ターミナル3
ターミナル3のシルバークリスラウンジはゲートAエリアにある。エスカレーター上り口にある華やかな看板が特別感を演出。
エスカレーターで上るとラウンジフロア。正面がビジネスクラスラウンジで左手に行くとファーストクラスラウンジがある。
カウンターで受付を済ませ中に入ると、人の多さにまずびっくり。ビジネスクラスの乗客ってこんなに多いのか、というのが最初の感想。
入って右側のエリアにはバーカウンターがある。朝はバリスタサービス、夜はバーテンダーサービスと時間帯によりサービス内容が異なる。
カウンターの奥にはソファが並んでいる。この右側エリアはフロアの奥行きは無く、ここだけ見ると、ちょっとこじんまりした印象であった。
一旦入口に戻って今度は左側のエリアに行ってみる。
先ほどの右側エリアとは打って変わってその広さに驚いてしまった。奥に入って行っても延々と続くような感じ。
フードエリアも巨大。様々な料理が並び、まるで高級ホテルのブッフェレストランのよう。
TWGの紅茶も飲み放題。
奥のエリアには背の高いソファがたくさん並んでいるが、混んでいるので座る場所が無い。
シャワールームもある。
2021年にリニューアルされたばかりの新しいターミナル3ラウンジ。噂通り豪華でスタイリッシュなインテリアと充実したフード類が素晴らしいが、時間帯にもよるであろうが混雑が激しいのがやや難点。そこで早々と引き上げターミナル2のラウンジへと向かうことにする。
ターミナル2
再度Skytrainでターミナル2に移動。こちらはターミナル3の喧騒が嘘のように人が少ない。なお、2022年10月現在、本ターミナルは改装中のため半分近いエリアが閉鎖されている。
ターミナル2のシルバークリスラウンジはゲートEエリアにある。Skytrainで到着したゲートFエリアから人気のない通路を延々と歩く羽目になった。
ようやくラウンジ入口に到着。スタイリッシュなターミナル3に比べ落ち着いた印象。
ビジネスクラスラウンジは入口から左手、右手はファーストクラスラウンジ。
内部は中々の広さだがほとんど人はいない。こちらの方がゆっくり寛ぐことができる。
フードコーナーの充実度は、やはりターミナル3には及ばないがクオリティは同じ。何より空いているのがいい。
こちらでもシャワールームが利用可能。空いているのですぐに利用できた。タオルやソープ類も完備。
結局このラウンジで1時間以上過ごした。最新のラウンジにこだわらない人はこちらの方がおすすめだ。
搭乗
機内へ
ラウンジから搭乗ゲートのF60に向かう。ターミナル2の一番端っこにあるゲートで、再び延々と歩かされることに。
チャンギ空港は保安検査場が各ゲートごとにあるのが特徴。一見非効率にも見えるが、出発と到着のフロアを分けなくてよいので乗り継ぎがしやすい構造である。
時刻は1:15、搭乗エリアのロビーには既に多くの乗客が集まっており、座る場所がほとんどない。深夜のフライトだが乗客の数はそれなりに多そうだ。
1:30搭乗開始。優先搭乗口に並ぶ。
これから乗るBoeing787-10が見える。機体記号は9V-SCGで製造から経年5年。なお、シンガポール航空は787-10のローンチカスタマーで、当機は同社における7号機となる。
子供連れの乗客が多い。深夜なのに子供たちは元気だが自分を含め大人たちは皆疲れ果てている様子。ビジネスクラスの搭乗率は低く、空席が目立つ。
機内の様子
シートは中央に2席、両サイドに1席ずつ配置(1-2-1)のスタッガードシートで、プノンペンから乗ってきたA350-900と同じ配列。
シートもA350-900と全く同じもの(詳しくは前回記事をご覧ください)。
出発前に機内食の希望を聞かれた。先ほどラウンジで少し食べたのでお腹は空いていないが、せっかくなので頂くことにする。メインはマレー麺料理、ミーシアムゴレンをチョイス。
出発
定刻ピッタリの2:05にプッシュバック開始。この時間になるとさすがのメガハブチャンギ空港も落ち着いている。
2:18、RWY02Lから離陸。束の間の滞在であったが、さらばシンガポール。
機内食
離陸後30分後に機内食のサーブが始まる。既に時刻は深夜3時前、短距離フライトなので仕方がないが中途半端な時間帯での食事となってしまう。
前菜はカニマヨネーズサラダと卵焼き。
メインのミーシアムゴレン。さすがに疲れてしまっていたので、味はあまり覚えていない。
食事が終わると照明が落とされてお休みタイムとなった。
到着
ぐっすり眠る暇もなくあっという間にフライトは終盤へ。マニラ、ニノイ・アキノ国際空港に向けて順調に高度を下げていく。
時刻は朝5時を回っているが、まだ外は真っ暗だ。
5:21、RWY06に着陸。5:28、ターミナル3に到着した。なお、シンガポールとマニラの間には時差は無い(日本時間とは-1時間)。
この後は同ターミナル内で成田行きのANAに乗り継ぎとなるが、事前に案内されていた通り一旦フィリピンに入国しなければならない。検疫所で入国に必要な「eARRIVAL CARD」の呈示を行う際にトラブルがあったが、無事通過することができた(追記:2022年12月から、フィリピン入国電子登録は「eARRIVAL CARD」から「eTravel」に変更となったとのこと)。
感想
プノンペン→シンガポール便に引き続き、短距離ビジネスクラスの旅となった。機内のサービスそのものの感想は前回の記事と同様だが、何より深夜のせわしない短時間フライトで疲れてしまったというのが実感である。
チャンギ空港のシルバークリスラウンジ、特に新装開店となったターミナル3のラウンジは噂通りのクオリティの高さで、アフターコロナの旅客需要回復を見据えたシンガポール航空の本気度を見ることができた。
残念ながら一介のサラリーマンである筆者の財力では、ビジネスクラスはめったに搭乗することはできないが、今度は同社の長距離便で最高水準のサービスを堪能してみたいと思う。
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