【乗車記】レインボーⅡの”特急バス” 千曲バス 上田松本線

長野県東部にある上田市と、中部にある松本市は、同県第2・第3の都市であり、信州を代表する観光都市として毎年多くの人が訪れている。両都市間は直線では約30km程度の距離でありながら、鉄道では篠ノ井経由となるため大回りを余儀なくされ、公共交通を利用した観光周遊にはやや不便な状況にある。

そこで、両都市の連携事業として、2016年度から「直行バス」の運行が行われている。7年目の今年2022年度も、土日祝日に2往復運転されることとなり、アフターコロナの旅行需要の回復につながることが期待されている。

運行は2往復とも千曲バスが担当している。予約は不要で運賃は大人片道1,500円。途中、生島足島神社前(松本行きは乗車のみ、上田行きは降車のみ)と鹿教湯温泉の2ヶ所に停車する。

[PDF] 2022年度運行案内(出典:上田市役所公式サイト)

今回は、上田駅13:15発の便に乗車、終着の松本バスターミナルまで利用してみた。

乗車記

上田駅~鹿教湯温泉

乗り場は上田駅お城口の1番乗り場。発車5分前を過ぎてもバスは現れないが、乗り場では数名の乗客がバスを待っている。

上田駅お城口バス乗り場

13:12頃バスが到着。以前何度かこの路線を利用したことがあり、いずれも観光タイプの車両であったため、到着した中型の一般路線車(日野レインボーⅡ)を見て心底驚いた。調べてみると、どうやら今年2022年4月より車両運用が変更となった模様。

13:15発松本バスターミナル行き

10名ほどの乗客を乗せて、13:15定刻に上田駅を発車。

上田駅を発車

バスは県道上田丸子線に入り、古舟橋で千曲川を渡る。しばらくは上田の市街地が続く。

13:35、時刻表より5分ほど遅れて生島足島神社前停留所に到着。この神社は延喜式にもその名が記されている由緒ある古社。当バス停は上田電鉄別所線下之郷駅から徒歩5分ほどの場所にあり、乗り継ぎも可能。

生島足島神社前に到着

乗降無しで発車。景色は住宅街から田畑が広がる農村へと変わり、前方には山が迫ってくる。

前方に山が迫る

最初の長大トンネル、平井寺トンネルを通過する。このトンネルは、2018年8月までは有料道路として供用されていた。

平井寺トンネル

トンネルを抜けると国道254号に突き当たる。ここから鹿教湯温泉までは、一般路線の鹿教湯線のルートと同じであるが、途中停留所は全て通過となる。

国道254号を走る

鹿教湯温泉の手前で国道から離れ、温泉街を通る市道へと入っていく。古くから湯治場として栄えてきた温泉で、道の両側には旅館が建ち並んでいる。

13:57、鹿教湯温泉停留所に到着。ここで約半数の5人の乗客が下車した。都市間輸送のみならず、鹿教湯温泉へのアクセスとしても機能している。なお、平日のみ2往復、鹿教湯温泉と松本バスターミナルの間を一般路線のアルピコ交通鹿教湯温泉線が運行されている。

鹿教湯温泉に停車
鹿教湯温泉~松本バスターミナル

鹿教湯温泉を発車後、バスは再び国道に戻り、いよいよ三才山の山越え区間へと入っていく。千曲バスの鹿教湯線は国道に戻ってすぐの所にある鹿教湯車庫が終点。

急勾配区間では先を急ぐ乗用車に道を譲りながら登坂車線を進む。

登坂車線

次第に高度を上げ、山岳道路の様相を呈してくる。車窓から見える山々の緑が美しい。

南角大橋

上田市と松本市の境にある延長2511mの三才山トンネルを通過する。このトンネル区間もかつては有料道路であったが、2020年9月に無料開放となった。料金所はすでに取り壊されている。

三才山トンネル

ここからは下り勾配なので軽快に駆け下りる。

本沢橋

洞交差点で国道から県道惣社岡田線に入る。左手に松本市のシンボルの一つ、女鳥羽川を眺めながら進む。このあたりから車窓は山村から市街地へと変わっていく。

県道惣社岡田線(左手に女鳥羽川)

バスは浅間橋で女鳥羽川を渡り、浅間温泉から南下する市道(通称「やまびこ道路」)に入る。なお、この道路は1964年に廃線となった松本電鉄浅間線の廃線敷を転用したもの。

秀峰学園前交差点で右折、松本駅前に通じる「あがたの森通り」へと入る。一帯は近年社会問題化しつつある”イオン渋滞”が激しい所。

松本市内は途中ノンストップであるため、アルピコ交通の停留所は全部通過。バス停でバスを待つ人はこの見慣れないバスが通り過ぎるのを眺めている。

14:43、松本バスターミナルに到着。松本市内はやや流れが悪い箇所があったものの、定刻より2分早い。降車場所はターミナル建物内ではなく、駅前広場に面した降車場だ。

松本駅前
松本バスターミナルに到着
松本バスターミナル(降車場)

感想

今回、一般路線車での乗車は初となったが、実際に乗車して一番気になった点は乗り心地。1時間半もの乗車時間では突き上げる振動とシートの硬さで座っていると足腰が痛くなってしまう。

また、座席定員も少ないため混雑した場合には立席となってしまう可能性もある。せっかく訪れていただいた観光客にとっては、正に”悲惨な体験”となろう。

一般路線車での運行は一時的なものかどうかは不明だが、路線の性格上観光タイプ車での運行が望ましいことは言うまでもない。

しかし、レインボーⅡによる疑似特急バス体験は、バス好きにとっては一度は経験してみたいところかもしれない。

関連リンク

千曲バス株式会社 - 高速バス、貸切バス、路線バス
当社は長野県、佐久市に本社を持ち、佐久市、上田市、小諸市、軽井沢、南佐久全域の東信地方を中心に、貸切バス、観光バス、高速バス、自治体巡回バス、路線バス等の運営をする会社です。

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